「あっ……」 　波折がきゅ、と目を閉じて甘い声をこぼす。はふ、と息を吐いて、鑓水の胸にくたりと頬を寄せて乗っかった。 「んっ……あっ……」 　ぴくん、ぴくん、と波折が震える。微振動がじわじわとなかから広がっていく感覚に、むずむずと鑓水の上で可愛く身じろいでいた。波折が自分の上でもがいているのをみて、鑓水はもっともっと彼を甘やかしたくなってくる。両手で波折の髪をくしゃくしゃと撫でて、ぎゅっと抱きしめてやった。 「きもちいい……」 「波折ー、どこか触らせて」 「んー……じゃあお尻」 「指挿れるのは？」 「それしたらすぐイッちゃう……」 「じゃあ揉むだけね」 　緩やかな快楽がイイようだ。じんわりときもちいいのが安心感を覚えるのかもしれない。とろんとした顔で鑓水の胸板を枕にしている波折は気持ちよさそうにまどろんでいる。そんな波折のお尻を掴んで、大きく揉みしだいてやれば、彼はうっとりと目を閉じて唇をきゅっと閉じた。 「んん……」 「どう？ 気持ちいいか？」 「えっちな気分……きもちいい……」 「俺はめっちゃ焦らされてる気分なんだけど……」 「けいた、シたい？」 「んー……まあこれも楽しいからいいや」 「夜になったら俺がんばるからね」 「がんばる？」 「けいたのこと、きもちよくしてあげたい」 「そりゃ楽しみにしてる」 　ぐに、ぐに、とお尻を揉む。波折のお尻は小さいけれど触るとぷりっとしていて気持ちいい。今みたいに服の上から触ってもわからないが、つるつるしていて触り心地が本当にいいのだ。あとでここに思い切りぶち込んでやろう、と考えて、入念に揉んでやる。 「ん……あ……」 「声……だんだんやらしくなってきてるよ」 「うん……アソコじんじんしてきた……あっ……すごくえっちな感じ……」 「挿れて欲しくない？」 「ん……太いので掻き回して欲しい……でも、このまま、……ぁふっ……きもちいー……」 　波折の頬が段々と紅潮してゆく。イきそうでイケない、そんな感じを楽しんでいるのだろう。自分の胸元ではふはふと息をしながら悶えている波折のお尻をひたすらにもみ続ける鑓水の心境といえば、それはそれは苦しいものなのだが。でも、可愛いからいい。これからすぐにご飯を波折につくってもらうのに、無理をさせてはいけないし。波折の可愛い声が聞けるだけでも十分に満たされる。 「んっ……あー……いきそう……」 「ん？ イク？」 「あっ……やんっ……お尻のなかぎゅってなってきてローターでちゃう……」 「だしちゃだめだぞ」 「うん……あっ……いきそうっ……んっ、んっ、……んー……あー……いく……」 　 　波折の呼吸のリズムが変わっていく。緩やかな快楽で責め立てられているからか、いつもよりも静かに喘いでいる。なんだかそれがやらしくて、鑓水は興奮してしまっていた。お尻のなかに指を突っ込んでぐっちゅぐちゅに掻き回してやりたいと思ったが、なんとか耐える。 「あっ……くるっ……んっ、くるっ、あー、くる、いけそうっ……」 「ん、よし、イけ、波折……」 「あー……いく、っ……あっ……いく、いくっ……ぁんッ……！」 　ぴくっ、と波折が跳ねた。はー、はー、と荒く息をしながら、波折がにこにこと笑う。そうとう気持ちよかったのだろうか。幸せそうに目を閉じながら、呟いた。 「へへ……イッちゃったー……」 「きもちよかった？」 「きもちよかった……ちゃんとローターなかに挿れたままイけたよ。けいた、褒めて」 「んんー？ よしよし、ちゃんとオモチャ出さないで我慢できたんだなー、偉いぞ」 「けいたー」 　頭を撫でてやると、波折が顔をあげて手のひらに頬を擦り付けてくる。そのまま頬をすりすりと撫でてみれば、波折は猫のように気持ちよさそうに撫でられていた。ごろごろと喉を鳴らす音がきこえてきそう。 　もうこいつのエロ可愛さはどうなってんのかな。気付けば窓の外は暗くなり始めていて、１日が終わってしまいそうだ。さみしいな、と思った。