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第十五章

***  窓から朝日がきらきらと差し込んでいる。鑓水と波折は朝食を食べたあと、食休みに紅茶を飲みながらテレビをみていた。今日は学園祭翌日ということで学校は休みだ。特に予定もないため二人はだらだらと過ごしていた。 「なんか最近魔女、増えたよな」  テレビで流れているのは、魔女による軽犯罪のニュース。ここ最近増えている魔女は、たいした魔術の知識もないままに魔術を使うため、殺傷能力のほとんどない魔術しか使えない。殺人はほぼ起こらず、ちょっとした怪我をさせて終わる、そんな魔女が多かった。そう――鑓水の兄・錫のような。 「裁かれるリスクを背負いながら、遊び半分で魔女になんてなりたがるもんか?」 「……さあ、どうだろう」 「誰かが手引しているんじゃねえの。そうだ……兄貴もなんか「あの人」とかなんとか言ってたような」 「……どうかな。手引、なんてそんな手下として扱ってるんじゃなくてさ、」  鑓水がぶつぶつと思ったことを言っていれば、波折がこてんと鑓水の肩に頭を乗せて、言った。 「ただのモルモットとしてしかみられていないんじゃないかな」 「……どういうこと?」 「んー?」  波折がごろごろと鑓水の肩の上で唸っている。答える気はなさそうだ。  モルモット……何かの実験道具?どういうこと?っていうか波折は何か知っているのか?様々な思惑が鑓水のなかに湧いてくる。  誰かが魔術なんて関わりのなかった人を誑かして魔女にしてしまう。何かの答えを得るために。それは、考えてみればありえないことじゃない。錫も同じようにその誰かに誑かされたという可能性はある。  そうたどり着くまでに難しい推理ではないが、波折の口ぶりはすでに答えを得ている、そんな風だった。でも、なんでそんなことをおまえが知っているんだと問いただしたところで答えてはくれないだろう。それでもヒントだけをバラまいているのは……気付いてくれというサインを発しているからなのか。自分で真実にたどり着けと言っているのだろうか。 「はー……」 「慧太?」 ……考えすぎかな。  鑓水はため息をつく。昨日から波折が不審なことを言うものだから、変に勘ぐってしまう。あんまりごちゃごちゃと考えたくないなぁ……と思いつつ、波折のことは全部知りたい。片手間になんとなく、調べてみようか。 「波折ー……今日はおうちデートしよっか」 「? 家からでないでいちゃいちゃするの?」 「ううん。うちはうちでも、俺のうち」

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