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生徒会の活動が終わって、メンバーが帰ってゆく。鑓水と波折も後に続いて生徒会室を出て行った。
「……今日、篠崎の家に寄っていきたいんだけど」
「ふうん。案内しよっか」
「……うん」
鑓水が篠崎の家に行こうとしていると知るなり、波折はすうっと目を細めて微笑んだ。なんで、とも、どうして、とも聞いてこないあたりが余計に怪しい。これは絶対に篠崎の家になにかあるのだと、鑓水は生唾を呑み込む。
昇降口を出て、校門に向かおうとしたときのことだ。ちょうど、職員用の玄関から、淺羽が出てきた。朝に見た金の記章のことが気になっていた鑓水は、彼を見て思わず固まってしまう。そうしていれば彼は二人に気付いてこちらへやってきた。
「いつも二人でいるね。仲いいんだ」
「……はい、まあ……」
「これから一緒に帰るの?」
「……はい。ちょっと篠崎の家に寄って……」
淺羽が話しかけてくる。鑓水はなぜだか彼と目が合わせられなくて、ちらちらと胸に光る記章を見つめながら、ぼそぼそと話した。
「……へえ、篠崎くんの家」
そんな鑓水とは裏腹に、淺羽はいつもどおりのカラッとした口調で話している。その顔に笑顔をちらつかせ、そして鑓水の言葉に反応する。
「――俺が車で送って行ってあげようか。篠崎くんの家」
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