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この一週間、JSは不穏な空気に包まれていた。今後の自分の身を考えて退学する者がちらほらと現れたり、メディアがやってきたり。いつもとやっていることは変わらないというのに、精神的にどっと疲れてしまう。
そんななか、やっとやってきた週末。生徒会内でも件の事件によって混乱している生徒たちへの対応が迫られていて、その件につきっきりだったが週末くらいは解放されたい。これから波折と会えるということに、沙良は素直に喜びを感じていた。
「――お、沙良。出掛けるのか」
「うん。すぐ帰ってくると思う」
「そうか。気をつけろよ。魔女が周囲にいるかもしれないって言われているから」
「心配しないで、ほんとすぐ戻ってくるって」
「ちょっとした用なら送って行こうか?」
「大丈夫」
玄関で靴を履いている沙良に、洋之が声をかけてくる。洋之は基本的に放任主義だが、さすがにこの状況ともなると子供を心配するようだ。不安そうにそわそわとしている。でも今日は波折を迎えにいくだけですぐに家に戻ってくる予定だ。そんなに彼に心配をかけることもないだろうと、沙良は家を後にした。
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