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「波折が魔術を使った……?」
駅の一角、無線での連絡を受けた淺羽は驚きの声を発していた。地下にて波折が魔術を使っているのを見たと、魔女の一人が報告してきたのだ。
「……波折が魔術を使ったって……あんたの命令違反ってこと?」
「……」
そして、隣でそれを聞いていた鑓水はそんな驚きの表情をみせる淺羽をみて面白そうに笑う。
「ありえない……波折は俺の奴隷だ、ジャッジメントスクールの校則違反なんて絶対にしない」
「でも、現にしているらしいじゃん」
「……なんで」
「……あいつにもちゃんと心はあるからな」
珍しく動揺する淺羽をみて、鑓水はごきげんだった。いやみったらしく笑いながらも、淺羽の命令に反する行為をした波折を嬉しく思っているからか、その目は優しい。
「……いくよ、鑓水くん」
「あ?」
淺羽は無線機を乱暴にしまうと歩き出す。鑓水は困惑しながら、仕方なしといった風に淺羽を追いかけた。
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