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第10話

男が下腹部を突き出せば、ローションの滑りを借りて簡単に亀頭が挿ってしまった。 「あれ、痛くないの?」 ゆっくりゆっくり腰を押し付けて、男は確実に中へ挿っていく。 彼は腕で顔を隠して必死に声を押し殺しているようで、彼の反応を終始見ていた男はつまらなそうに呟いた。 「泣き叫ぶと思ってたのに残念だなあ」 肩を落として溜息をした男は彼の足を抱え直した。足を踏ん張り、顔を隠す彼の腕を掴んで退かすとベッドに押し付けた。 「あ、ああっ!ううッ」 容赦なく一気に根元まで挿入すると、彼の目が見開き頭が仰け反った。 すぐに始まった激しい抽送に下から突き上げられ、内臓を揺さぶられる。 「苦しいっ、抜いてっ」 「あは、痛くはないんだ」 「アッアッ、いやだっ、」 激しい抽送にローションが泡立ち、にちゃにちゃと粘着質な音と肌がぶつかり合う音が部屋に響いている。 「やっぱりキミを選んでよかった。始めて男に犯されてるのにこの反応って・・・もっともっと愉しめそうだね」 「あああああ!!」 体を屈めた男が彼の乳首にキスをすると、思い切り歯を立てて挟んだまま千切るように引っ張れば彼の腹に力が入った。 「ウッ、」 乳首を噛まれた痛みで力が入り、中に挿っている陰茎を締め付けた。 あまりの気持ちよさに男は低く唸って堪える。 「初めは優しくって約束だから今日は先にイかせてあげるよ」 歯形のついた胸から顔を上げた男は彼の陰茎を掴み、上下に扱く動きに合わせて腰も振った。 「ほら、イっていいよ」 「あっ、いッ、うっ、はあっはあっ」 知らなかった中を刺激され、感じたことのない感覚に追い詰められる。亀頭を激しく擦られ堪えられない射精感に目の奥がチカチカと点灯した。 「ッッ!ううっ───」 力んでいた腹が弛むと、ビクビクと痙攣させて勢いよく射精した。 「はは、沢山出たね」 胸から首元まで飛んだ彼の精液を、男は舌で掬って舐め取り呑み込んだ。

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