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第20話

暫くして、男が帰宅した。 玄関を開ければ家の奥からは淫猥な声が聞こえ、男は口角を吊り上げて寝室へ足を進める。 「あっ、ううッ・・」 ドアを開けると鮮明に聞こえる喘ぎに、男の股間が疼いた。 「ただいま、智紀」 「もういやだっ、取ってくれッ」 智紀は快感に震える体をどうにか起き上がらせ、男の胸ぐらを掴むように懇願した。 「こんなに涎だらけにして」 迫ってきた智紀を見た 男は血の混じった涎だれ塗れの口元に気付き、そこ舐めはじめると智紀の唇の隙間に舌を滑り込ませた。 男の胸を押しやり反射的に逃げようとしたが、力強く抱き締められそれはできない。隙を突いて奥まで侵入してきた舌にぎゅっと目を閉じる。 「ンッ、ンンッ!」 舌に開いているお互いのピアスが時折ぶつかり、咥内で金属音がする。まだ完全にピアスホールが安定していない智紀は、ピリッとした痛みに眉間に皺が寄っていた。 「後ろの、取って欲しい?」 長いキスが終わると、智紀は力なく男に寄り掛かった。男はベッドに上がり座り込むと、向かい合うように智紀を太股の上で抱きかかえる。 智紀の背中に掌を滑らせ双丘を撫でるとその間に埋まっているエネマグラを押し込んだ。 当然、智紀からは堪えがたい甘ったるい声が漏れたが、智紀は頭を上下に振って解放されるのを求めた。 「じゃあ、これが上手にできたら取ってあげる」 外出から戻ってきた男が持っていた紙袋を漁る手が取り出したのは長細い箱だ。 「智紀の気持ちいいところ、こっちから弄ってあげるから。このままいい子で俺に跨がってて」 箱から取り出したのは銀色の長細い棒に凹凸が付いている物だ。 智紀の体を起こした男は陰茎を掴むとそれを尿道にあてがった。 その光景を目の当たりにした智紀の表情が見る見るうちに恐怖へと変わっていく。 「い、いやだっ、そんなの・・無理・・無理だっ」 「大丈夫。俺の智紀ならできるよ。それにちゃんとできたら後ろのを取ってあげるから。約束だよ」 男の声は優しかったが、未知なる恐怖に智紀の体が硬くなる。

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