バスルームへ入ると、中は湯気が立ちこめ温かくなっていた。 「脚を開いて」 服を脱いだ男はシャワーを出すと、床に座り込む智則にそう言った。 「洗ってあげるからよく見えるように脚を開いて」 一度目の言葉で躊躇う智則にもう一度言うが、シャワーの音と男の声だけが反響している。 智則の耳に男の声は届いているが、羞恥心がまだ拭えないようだ。 「聞こえないの？」 戸惑いに目を泳がせていると、男に顔を掴まれ無理矢理目を合わさせられてしまった。 慌てて男の目を見たが男の指の力は増すばかりで、智則はゆっくり脚を開いていった。 「いい子」 骨が軋むほどの痛みはすぐに解放され、智則は顔を背けて目を硬く瞑った。 「まだ恥ずかしいの？色んな事したのに」 男は智則の股間へ手を伸ばし、ぐにゃりと垂れる陰茎を掴んで刺激しはじめた。 尿道に挿入されていた感覚がまだジンジンと疼いていて触れて欲しくない。そう思っても叶うわけのないお願いを智則はぐっと飲み込む。 「ああ、赤くなっちゃったね。痛い？」 亀頭の皮を下へ引っ張るように扱くと、尿道が口を開き赤く腫れた穴がよく見える。 「い、痛い…」 「だよね。あんなに何度も出し挿れしたもんね」 「あ、え、やだっ、ああっ」 背けていた顔はいつの間にか男の手を凝視し、好きにされる自分の陰茎を見つめていた。 男が屈むと、舌を伸ばして智則の陰茎に這わせた。 舌に空いたピアスを押しつけるように根元から舐め上げられ、尿道に舌先をねじ込まれる。 感じたくないのに、男の舌に反応して勃起していく自分の姿に涙が滲む。　　 「ねぇ、智則。俺のお願い聞いてくれる？」 人の体を好き勝手に弄んでいるくせに今更何を言いだすんだ。 今度こそふざけるなと怒鳴り、殴りかかろうかと思った。 「ここにピアス、あけていい？」 強気になったその勇気は一瞬で不安にすり替わってしまった。 カリ首の裏の筋を舌先で舐められながら言われ、智則は即座に頭を横に振った。