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第27話
自分から男のモノを挿れるなんて…。
自ら求めるような行為はしたくない。
コレが与える、意識を飛ばすほどの快感を体は知ってしまったが、本来受け入れる場所ではない後孔は異物を押しだそうと収縮する。
それなら無理矢理やられるほうがまだいい。すべてをこの男のせいにできるから。
「ねぇ、焦らしてるの?」
「はあっ、ち、違うッ」
現実から逃げるように目を閉じ、亀頭まで挿れては抜いて繰り返していると、男の笑い声に智則は慌てて目を開けた。
「ならちゃんとやれ」
「いッ!」
口角の上がった顔が途端に表情をなくすと、男は智則の陰茎を力任せに握った。
「俺の目を見てやれ」
痛みに腰が引け、ガクリと腰が折れそうなのを男の胸に手を突いて堪える。
じわりと滲む涙目で男を見つめれば、無表情だった顔が柔らかくなり、陰茎を掴む手がゆっくり上下した。
「いい顔だよ、智則」
「んんっ」
唇を舐められ、智則は素直に口を開けば男の舌が口内を舐め回す。智則もキスに必死に応えていると男に肩を押しやられ中断させられた。
また何か間違えたか。
不安に駆られたが、男の表情は柔らかい。
「ほら、やり直しだ。次はちゃんとできるよね」
智則は騒ぐ胸を落ち着かせ、男の目をジッと見つめたまま後ろ手に掴んだ陰茎に腰を落としていく。
根元まで挿り、圧迫感に息を吐いた。
「上手だよ。じゃあ、俺の脚に寄り掛かって脚を開いて」
膝を立てた男の脚に背中を預け、大きく脚を開く。男の上ですべてを晒す。
「いい子には、俺のシルシ、付けてあげるからね」
ベッド脇に手を伸ばした男が消毒液とガーゼを掴むと手早く智則の陰茎を消毒した。
男は陰茎を逸らすように掴み、取り出したニードルを亀頭の裏に近づける。
「ハッ、ハッ、ま、待って、無理っ、ゆ、ゆるして…こわい…」
恐怖に息の上がる智則の声は震えていた。
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