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第38話
「ここも取らずにいたんだね」
亀頭の裏筋に付けられたリング状のピアスを男が掴むと、それを引っ張っては離してを繰り返した。
「あっ、い、痛いっ、」
皮を引っ張っられる痛みに智則の体は何度も跳ねた。
「痛い?ホントに?」
「あ゙ッ、ほ、ンッ、本当…にっ」
「ふぅん」
男は足の間から智則の顔を覗き込むと、堪えるように枕を力強く掴んでいるのが見える。
腑に落ちないような返事を返した男は陰茎に視線を戻し、痛い痛いと言う割に勃起して蜜を垂らすその光景にほくそ笑んだ。
「ねぇ、ピアスを外そうとは思わなかったの?」
「あっ…」
ピアスを引っ張っている手とは反対の指が智則の後孔を擦りだした。
わざと穴に指を引っかけるように、精液を塗りつける。
「質問には答えて」
「ッ!!アアアッ!!」
揃えた二本の指を一気に奥まで挿入すると、智則は目を見開いて背中を弓なりに反らした。
痺れる快楽に目を閉じると涙が溢れた。
「智則」
考えることも喋ることも出来なくしているのは自分なのに、男は智則を責め続け逃がそうとはしない。
「うっ、わから、ない…」
腹に力を入れて絞り出すように答えた。
「まあ、いいや」
男は素っ気なく言うと、智則の中から指を抜いた。
「智則、こっち見て」
足の間に立て膝をした男は自分のジーンズの前を寛げはじめた。
智則は頭をずらして男を見ていると、下着を下ろしたそこから勃起した陰茎を見せてきた。
「コレ、智則の為に付けたんだ」
「えっ…」
自分の陰茎を扱く男の亀頭にはボールの付いた太いピアスがついていた。
「まあまあ痛かったけど、コレで智則の中を擦ったら悦ぶだろうと思ってさ」
普通あんな所にピアスなんかあけるだろうか。
やっぱりこの男はおかしい。
亀頭を貫通しているピアスを目の当たりにした智則は逃げようとシーツを蹴った。
「逃げるのはもう赦さないよ智則」
「いやだ、やめてくれっ!」
「最高によくしてあげる」
逃げをうった智則の足首を引き戻し膝を抱えると、男は腰を進めた。
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