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0721の日②
次の日の夜に玄関のドアをそっと開けた。
ノアが寝るにはまだ早い時間帯だったが、外から見た時、どこにも明かりは付いていないようだった。
ノアが寂しくならないように、頻繁に電話をかけていたが、ひとりぼっちにさせてしまったことを更に後悔する。
どういう理由か定かではないが、あんな所に身を寄せていたのだ、孤独感は人一倍感じるかもしれない。
「ノア…、ノア!今帰ったよ。居ないのか?出てきてくれ…寝てしまったのかい?」
早く俺に可愛いその姿を見せてくれ。
力いっぱい抱きしめさせてくれ。
たくさん口付けをさせてくれ。
そう思いながら泊まりの荷物と共に中へ入る。
リビングにいるのかと思いきや、その姿はない。電気をつけると、食べかけのノアの好物が放置されていた。
「全く食べていないじゃないか…体調を崩したか!?早く見つけないと」
次に向かったのは、ノアがいつも入り浸る2階にある書庫兼、書斎。そこにもノアの姿はなかった。読書をしていてそのまま寝落ちてしまったのかと思ったが、宛は外れたようだ。
思い当たるのは、もう寝室しかなかった。
2階のフロアは二手に分かれていて、寝室へ行くには、もう一度階段のところまで戻って右側の階段を登らねばならない。
仕事とプライベートの環境を分けるために部屋を離したが、今はその過去の自分を呪いたい。
「あ、薄ら明かりがついてる…」
サイドボードの照明を付けて本でも読んでいるのだろうか。
とにかくノアがいるという気配を感じて心底安堵した。
「…っふ、ぐすっ、あぅ…っ」
ノアの声が微かに聞こえる。
寝室に近づくにつれてその声音がはっきりしてきた。
すすり泣くノアの声が聞こえる。
寂しくて泣いているのかと考える俺は自意識過剰過ぎるだろうか。
「ノア……」
「あぇるぅ……あぇるっ」
俺の名前が聞こえてくる。
途端に胸が熱くなって息が詰まりそうなほど苦しくなる。
そっとドアを開けると、ノアが丸くなっているのが分かった。
ゴソゴソと蠢いて苦しそうだった。
「あっ、んん…っひぁ!」
つま先まで力を入れ、身体がしなる。
時折身体がビクビクと震えている様子を見て何をしているのか分かってしまった。
自慰だ。
「うぅっ、ぐすっ…」
サイドボードの引き出しから定位置に置いてある容器を取り出してたっぷりと手に取る。
今度は四つん這いになり、おそるおそる手をうしろに回している。
「ひゃ!?…あっ、んくっ」
にゅこにゅこと手が動き始めた。
腰もだんだんと大きく動かしている。
体勢を変え、足をM字に開きまた指を入れる。
この姿勢の方がいいところに当たるようで、甘い声が大きくなった。
「あ、俺の服…」
腰を浮かせながら俺の部屋着の匂いを嗅いでいた。
「あぁっん!あぇゆ!あぇゆ…ちゅきっ、ひぐっ」
ノアの切ない叫びに我慢ができなかった。
「ノア…っ!俺の可愛いノア」
頭を掻き抱き、ノアの名前を呼ぶ。
「あっ。あああ…っ!」
秘密の行為を見られてノアはパニックになる。
ノアが気をやるまで大人しく待てばよかったのかもしれない。
けれど、泣きながらうわ言のように名前を呼ばれて抱きしめるのを我慢できるわけがなかった。
「寂しい思いをさせて悪かった。会いたかった。いい子のノア…この酷いご主人様をゆるしてくれ」
「ふぇっ、ひっく…あぇゆ…」
「よしよし。ここからは俺に任せて。上手くできなくて苦しかっただろ?」
「あぇゆ、くぅち…くぅちぃ」
「俺もノアが傍にいなくて苦しかった…」
俺は何度もノアに「いい子」と言いながらノアに奉仕した。
キスをして、ツンと立った肉粒も慰め、屹立を愛撫した。
「ノアにたくさんお土産を買ってきたんだ。あとで一緒に開けよう。だから今はお休み」
「ん…」
ノアを抱きしめ、目を閉じた。
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