16 / 87

第16話

…………褒められた俺はそのまま照れてなにも言えなくなってしまった………… 再びお互いのあいだに沈黙が流れる なんだよ…………なんか言えよ……………… そう思っていると……………… 玲「…………なぁ、お前はほんとうにあんなことしたいのか……」 朱「…………………………」 答えられなかった………… ……なんて答えたらいいのかわからなかったのだ………… したいか、と聞かれればNOだ だがやめたいかといわれればそれもNOなのだ 今更後戻りなんか出来ない……………… 俺が行為に依存している理由は………… …………たぶん…………愛情を感じたいからだ………… 親戚にも母にも父にも…………………… ………………誰にも愛されない俺………… 今まで性行為をした人に「好きだ」と告白されたことはある…… だが本気の人なんているわけがなかった…… ただ、俺との行為がもう二度とできないことへの勿体なさ感じた人ばかりだ………… 誰でもいい…………………… 誰かに…………一度でいいから愛されたい………… 東堂のセリフに返事もせずそのまま黙ってしまった俺を見て東堂がため息をつく……………… やはり、飽きられただろうか………… 他人との性行為に縋っている俺など………… そう思ったのに……………… 玲「…………なぁ……誰でもいいのか?」 朱「……………………へ?……な、なにが??」 東堂はそういうと俺のところへズカズカとやってきた………… 俺を屋上のフェンスにおいやり、こう放った…… 玲「誰でもいいなら……俺じゃダメか…………」 ………………………………は?

ともだちにシェアしよう!