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第28話

?「お、俺悪くねぇからな!こいつから誘ってきたんだからな!」 そう捨て台詞を吐きながら出ていった男………… 藤原がブツブツと文句を言っている そんなに……したかったのかよ………… むかむかとした気持ちを持ったまま彼の元へと近づく……………… するとこちらを睨みつけ、不満げに見上げてきた……………… なにが不満なんだ…………………… 玲「おい…………藤原…………」 朱「……………………はぁ…………」 話しかけると、あからさまにため息をつかれ、そばをすり抜けようとする彼……………… 逃がすものかと、腕をつかみあげ、グイッと引っ張る 朱「……ってぇ!!!なんだよっ」 玲「お前………………好きなのか……」 朱「………………………………は?」 どうしても……ききたかった………………好きでやっているわけではけして無いはずだ……………… お前は…………なにを考えてる…………? 朱「だったら?なんなわけ」 玲「やめとけ、ああいうやつは…………」 自暴自棄にそう放つ……彼を見て胸が痛くなる……………… もっと…………幸せにしてくれる奴がいるだろ……………… そんなに彼氏は大切にしてくれないのか………… ほかの男に逃げるくらい…………? 朱「なに?俺の勝手じゃんか」 玲「やってて虚しくないのか……?」 彼氏の元に戻れ……………… そうすれば…………少なくとも…………虚しくはなくなる…………………… そう思い、藤原に言い聞かせるように話す……すると……………… 朱「俺に利用価値なんて…… …………そんくらいしかねぇだろ」 誰にも聞こえないようにそう呟かれた言葉…………………… そんなふうに思ってるのか……お前は…………………… 玲「そんなことねぇだろ…………」 朱「……っ!!お前になにがっ!」 玲「あのな……」 まだ続きそうなそいつの言葉を遮り、話す いくらお前だからといって……俺の想い人を悪くいうことは許さない……………… お前にどれだけの価値があるか………………聞かせてやる……………… 玲「お前は俺よりも人望が厚い 俺についてくるやつは俺を見た目で見ている女ばかりだ それに対してお前は、自分の実力で味方をつけている………… それに、お前はチャラチャラした見た目のくせに頭はいいだろ? 勉強は……普段してないはずだ なのに頭がいい、ということは地頭がいいんだろう? 真面目にやれば学校1位が余裕なはずだ それに芯をしっかり持った性格をしている、責任感もある お前のことをよく思ってる奴ばかりだぞ? それに……………………………………」 朱「も、もういい!!!」 玲「だが、まだあるぞ??」 朱「いいの!黙れ!!」 つらつらといいところをきかせると、顔を真っ赤にした藤原がキッと睨みつけてきた………… そんな顔も可愛いんだよ……………… お前はいいところが沢山あるんだ………自分で気がついてないだけだ……………… だから……自暴自棄になるな………………頼むから………………………………

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