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第32話
藤原との帰り道……彼はいつになくムスッとしていた…………
玲「…………どうしたんだ?藤原
元気ないぞ?」
朱「うるさい、話しかけないで…………」
玲「……………………?」
なんだかずっと不機嫌だ…………
そう言われてみれば……学校の時からおかしかった
なんだか…………なにかを睨んでいたような……
なんなのか分からないが…………頬を膨らませてすねている彼は小学生のようで…………とても可愛い………………
耐えきれずにくすくすと笑い声を漏らしてしまう……
朱「……………………なにさ……」
玲「いや、っくく………………」
抑えようと思えば思うほど、愛しさから笑みがこぼれてしまう
笑っていると彼は不満げに俺を睨みつけ、そのまま俺の腹にパンチをした
いや…………パンチなんて可愛いもんではなかったが…………
玲「っぐ…………い、いてぇ…………」
朱「ふんっ……いつまでもバカにするから……」
玲「はぁ??」
藤原にそう言われ、心外だ、と思った
馬鹿だと思って笑ってたんじゃねぇよ………………
玲「俺が笑ってたのは……拗ねてるお前が可愛かったからなんだけど……
バカにしてたとか捉えるなよな
可愛くて!笑ってたんだよ、ばーか」
そう彼に言い放ち、鼻をぎゅっと摘むと
きょとんとした顔で見つめてきたあとに
ボンッと音が出そうなくらい顔を真っ赤にした
な、なんだ…………その反応…………
藤原のその反応に……違うとわかっているのに勘違いしそうになる
なんで、こんなに嬉しそうなんだろう…………
お前は俺のこと嫌いなはずなのに…………
屋上のあの日からおかしい…………
どうしたんだよ…………藤原…………………………
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