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第33話

しばらく無言で歩くと 藤原の家の前についた 玲「んじゃ、またあとでな」 朱「…………………………」 玲「……そんな顔すんな、後で迎えくるから 荷物とったらうちこいよ? 寂しいだろうが、まっててな?」 朱「なにそれ…………意味わかんないし」 ぷいっと向こうをむく彼 その様子が、僕すねています、と言っているように見えてとても可愛かった 愛おしさがこみ上げてクスッと笑っていると訝しげにこちらをみてきた なんでもねぇよ、と言って彼に背を向け歩き始める 彼は俺が角を曲がり、見えなくなるまでその背中を見つめていた………… そんなに見るなよ…………穴があく…… 寂しいのか……? もしかして…………俺のこと、好きになってくれた? はぁ……俺バカみたい………… 家にとぼとぼと帰る 家に着いた頃、時計を見ると別れてから1時間たっていた……………… あいつが来る前に部屋の掃除しねぇとな そう思い、自分の部屋に向かう 玲「…………こんなもんかな」 ある程度、掃除が終わり彼を受け入れる準備が出来た 満足し、次はキッチンへ向かう この前、藤原はマッシュドポテトが食べたい と言っていた じゃがいもはあるが、生クリームがないな………… ブツブツと呟きながら今日の晩御飯について考える 考えていると、今日の藤原の態度を思い出す 可愛かったな…………今日のアイツ なにかあったのか、ずっと不安そうにしていた まるで…………離れていかないで、というような…… そこまで考え、ハッとする 彼氏となにかあったんじゃないかと あいつが俺に離れていってほしくないと思うくらいだ 相当追い込まれている………… なにかあったのか…………いや、俺には関係ないか……………… それに…………あいつを支える権利を持っているのは、あの日の彼だけだ でも……もし………支える権利を貰えるなら………… 俺にお前を支えられるだけの……力が欲しい そんなことを思っていると プルルといつもならないケータイがなり始めた なんだ……………………??

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