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第37話
ガチャ……
藤原が数十分たったころ、扉を開けた
その音に、慌てて目を拭き、彼に向き直る
玲「だいぶ話し込んだんだな
目…………泣いたのか……?
大丈夫か?なにかあったのか?……」
彼の目を見ると、ほんのりと赤くなっていた
彼氏に?……泣かされたのか…?………
メラメラと怒りがこみ上げてくる……
こんなに辛い思いをしているのに……
追い討ちをかけるように……冷たくするのか……
……そんな彼氏じゃなくて…………俺にしろよ………………俺なら…………俺なら…………………大切にするのに………………
そう伝わるように彼の顔に手を伸ばす…………
だが……その手は無情にも叩き落とされてしまう
彼は俺を心底憎そうに睨みつけると、冷たく言い放った
朱「関係ないじゃん、玲には…………」
玲「…………そうだな、悪い……」
……じわっと視界がボヤける…………
そのセリフに、今までにないくらい胸が痛み、さっきまで耐えていた涙がこぼれそうになる…………
そうだ……俺にはもう、心配する権利も…………話しかける権利もない…………
ダメだ……泣いてしまう…………
…………俺は……こんなに弱かったのか………………
……あぁ…藤原に愛されている彼氏が羨ましくて仕方ない…………
どうして……俺じゃないんだろう…………
なにを…………間違えたのだろう……
……俺は……なにをしているんだろう…………
藤原に嫌われた今…………俺は生きる気力を無くしていた………………
じっとなにもいえず彼を見つめていると
下を見て、俯いてしまった…………
そうだよな………………俺の顔も見たくないよな…
ごめん…………ほんと…………ごめん……………………
好きなんだ…………いや、好きじゃ足りないな……
………………愛している………………
ごめん…………この気持ちは捨てられない…………
俺のこと嫌いでもいい………………
好きでいることを…………君を密かに思うことを………………許して………………
朱雨………………愛してる………………
小さく、口パクで下を向いている彼に向かって伝える………………
いつか………………諦められる日まで………………好きでいさせて……………………
……長い長い片思いの予感がし、絶望した…………
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