37 / 87

第37話

ガチャ…… 藤原が数十分たったころ、扉を開けた その音に、慌てて目を拭き、彼に向き直る 玲「だいぶ話し込んだんだな 目…………泣いたのか……? 大丈夫か?なにかあったのか?……」 彼の目を見ると、ほんのりと赤くなっていた 彼氏に?……泣かされたのか…?……… メラメラと怒りがこみ上げてくる…… こんなに辛い思いをしているのに…… 追い討ちをかけるように……冷たくするのか…… ……そんな彼氏じゃなくて…………俺にしろよ………………俺なら…………俺なら…………………大切にするのに……………… そう伝わるように彼の顔に手を伸ばす………… だが……その手は無情にも叩き落とされてしまう 彼は俺を心底憎そうに睨みつけると、冷たく言い放った 朱「関係ないじゃん、玲には…………」 玲「…………そうだな、悪い……」 ……じわっと視界がボヤける………… そのセリフに、今までにないくらい胸が痛み、さっきまで耐えていた涙がこぼれそうになる………… そうだ……俺にはもう、心配する権利も…………話しかける権利もない………… ダメだ……泣いてしまう………… …………俺は……こんなに弱かったのか……………… ……あぁ…藤原に愛されている彼氏が羨ましくて仕方ない………… どうして……俺じゃないんだろう………… なにを…………間違えたのだろう…… ……俺は……なにをしているんだろう………… 藤原に嫌われた今…………俺は生きる気力を無くしていた……………… じっとなにもいえず彼を見つめていると 下を見て、俯いてしまった………… そうだよな………………俺の顔も見たくないよな… ごめん…………ほんと…………ごめん…………………… 好きなんだ…………いや、好きじゃ足りないな…… ………………愛している……………… ごめん…………この気持ちは捨てられない………… 俺のこと嫌いでもいい……………… 好きでいることを…………君を密かに思うことを………………許して……………… 朱雨………………愛してる……………… 小さく、口パクで下を向いている彼に向かって伝える……………… いつか………………諦められる日まで………………好きでいさせて…………………… ……長い長い片思いの予感がし、絶望した………… Next→Side朱雨

ともだちにシェアしよう!