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第39話

朱「ごちそう…さまでした…………」 玲「お粗末さまでした 皿、ちょうだい、洗うから」 そういって俺から皿を受け取り、離れていく玲………… いやだ…………………… そう思ってしまった 玲「ん??藤原?」 朱「……ぁ…えっと…………」 袖をキュッと掴んだ俺を不思議そうに見てくる彼………… どうしよう…… 咄嗟に掴んだからいい言い訳が出てこない………… ぐるぐると言い訳を考えるが、なにも浮かんでこない………… パクパクとどう言おうか困っている俺の口を見て、彼が助け舟を出してくれる 玲「もしかして、皿洗い手伝ってくれる感じ? それだったら……助かるんだけど」 朱「……る…………やる!!」 即答した俺をクスクスと笑う玲 彼はいいこ、とでも言うように 頭を優しく撫でてくれた そのまま俺に背を向けると、キッチンの方へ行ってしまう 俺にとことん甘い玲…… ……どうして……優しくしてくれるのだろう…… これじゃあ…………離れられないよ………… 玲に縋りたくなる、俺の弱い心に絶望しながら、彼の背中を追いかけ、お皿洗いを手伝った ・・・・・・・・・・・・・・・ 朱「あ、上がりました…………」 玲「ん、あぁ、上がったか っくく、やっぱおっきかったな」 朱「う、うるさいっ!」 玲と並んでお皿洗いをした たまに当たる肘にきゅんと胸を高鳴らせながら黙々とお皿を拭いていった そのあと俺は、先にお風呂に入れ、と言われお風呂に入っていた お風呂を上がって、脱衣所に用意されていた寝巻きは、俺が荷物に詰めた服ではなく、玲の服だった 朱「大体、どうして俺の服じゃないんだよ……」 玲「仕方ないだろう 置いてきちゃったんだからな」 朱「っあ………………」 そっか……置いてきたのか………… 1人で納得しているとくしゃりと頭を撫でられる その動作に彼の顔を見つめると 苦しそうな、悲しそうな顔をしていた どうしたんだろう……………… 不思議に思って見つめていると、その表情はスっと消え、玲に寝室前まで引っ張られる トコトコと、その後ろを付いていくと いつもと違う部屋の前につく 朱「……え、ここ?」 玲「そう、ここ」 そこは、いつもとは違う、少し大きな部屋だった この部屋は…………玲の匂いがした……………… 玲「ここで先寝てて 俺も上がったら戻ってくるから」 そういうとパタンと扉を閉めて、出ていってしまう 扉を見つめたあと、ゆっくりと部屋を見渡す 玲がいつも背負っているリュック 玲がいつもきている制服 玲が大好きな猫グッズ…………そして いつも寝ているベッドより、はるかに大きいベッド………… これ……絶対ダブルだよね……………… 柔らかそうなそのベッドにダイブしてみる するとバフンっと音がたっただけで ぽよーんと優しく受け止めてくれるベッド ふぁ……きもちい………… その気持ちよさにウトウトしていると ふわっといい香りがする あれ………………この香り……………… これは…………玲の香りだ…………

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