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第42話

Side朱雨 ……酷い夢を見た………… みんなが俺を囲んで悪口を言ってくる夢…… ごめんなさい、ごめんなさいと何度謝っても許してくれない……………… お前はクズだ お前は使えない お前は劣等だ お前は欠落品だ お前は汚い お前は……誰からも愛される権利などない …………わかった、わかったから………… ……お願い……もう、許してよ……………… 耳を塞いで、小さくまるまる………… 誰か…………助けて…………………… すると、俺を囲んでいる人と人の間から 一筋の光が漏れる……………… その人は俺に手を伸ばすと、ぎゅうっと強く抱き締めてくれる………… その暖かい温もりが嬉しいのに……悲しくて、嫌になった ……どうせ、あなたも俺の手を離すんだ………… そう思いグイッと手で押しのけたのだが 優しくその手を取られ、その人の背中に回される そのままぎゅうっと強く抱きしめられ、トントンと優しく背中を叩いてくれる その手が……大丈夫、大丈夫と言ってくれている気がして とても嬉しくなった ありがとう、とその人に伝えたかったが…… なんていえばいいのか分からず、口を動かしただけだった なにも言えない自分に恥ずかしくなり、その人の胸へと顔を埋める すると、ふわっと落ち着く匂いがした …………これ……玲のだ………… ……なんでだろう…とっても……落ち着く………… 彼の匂いを嗅いだだけで、あんなに荒れていた呼吸が、嘘のように落ち着いた………… あぁ、やっぱり玲はすごい………… そのまま、すりすりとしていると 彼が離れていくような仕草をした ………………もう、どっかいくの? ……いやだ……どこも行かないで………… ……引き止められないのはわかっているが、寂しくなり、彼にぎゅうっと強く抱きつく するとすぐに俺の腕の中に戻ってきてくれて、また優しく背中を叩いてくれた………… ……戻ってきてくれた……………… …………嬉しい……嬉しすぎる………… あぁ……玲…………玲…………夢の中ならば…… 君に言っても許されるだろうか………… 君に……どうしても伝えたいことがあるんだ…… 朱「……い……すき………………」 玲「…………俺も好きだよ……朱雨」 返事なんて、返ってこないとおもってたのに そう、甘い声で優しく聞こえた………… あぁ、やっぱり夢だ……………… 彼がこんなこと言ってくれるなんて………… 俺の願望が詰まりすぎている………… 夢の中だけでもいい………… 俺のこと好きになって………… 俺は……頬に感じた暖かいものに幸せになり 深い深い眠りへと落ちていった…………

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