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第43話

朱「……んん…………おもい…………」 胸に重たいなにかが乗っているような息苦しさに、目が覚める ぱちぱちと瞬きをし、ピントの合わない目を覚醒させる ぼやぁとクリーム色の輪郭が見える その輪郭をぺたぺたと触る するとその輪郭が呻き、俺を強く抱きしめる 顔が近づいたことで、ピントが合い、誰かがわかる………… お、俺…………れ、れれれ玲に!? 腕枕されていることに気がつき、焦る俺 深呼吸し、自分自身を落ち着かせ、じっと彼を見つめる 長いまつげに縁どられた目、クリーム色の髪、薄い唇、シャープな顎………… どのパーツも愛おしく感じる………… 我ながら重症だなと、苦笑する いつから俺はこんなに彼を好きになったのだろう もしかしたら、出会った時から好きだったのかもしれない……………… あんなに目の敵にして、 些細なことも目に入り、常にきにして……………… あんなにもつっかかって………… スーと彼の頬をなぞる これから君は……たくさんの女の人と出会い たくさんの人と付き合うんだろう………… だれかに、その一生を捧げるのだろう…… 考えるだけで、心臓が掴まれたようにいたい けど……俺に、引き止めることは出来ない 俺は……女でもなければ……Ωでもない………… 今まで…………あんなにβになりたかったのに…… 普通になりたかったのに………… …………今はこんなにも……Ωになりたい………… 彼を……フェロモンレイプで手に入れられたらどんなに幸せだろうか………… 今までクズだなと思っていた行為が…… 今は嫌という程、その行為をした人の気持ちがわかる ほかの人になんか、渡したくなくて………… 好きで好きで…………たまらないんだ………… 彼の胸元にすっぽりと埋まるように収まると グリグリと頭を擦り付ける どこにも…………行かないでよ……………… ポロポロと涙が零れてたまらない………… すると、無意識なのだろうが ふいに彼が強く引き寄せ抱きしめてくれる すりすりと優しく背中を撫でてくれる………… 俺の気持ちに答えてくれているようで…… とても嬉しかった………… 大好きだよ…………玲……………… ……どうか……俺を好きになって………… …………俺…頑張るから……………… そう強く決心し………… ……そのまま、また眠りの世界へと旅立った……

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