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第46話

Side玲 玲「藤原、今日どーするんだ?」 朱「………………かえる……」 話しかけるとプイッと向こうを向いて立ち上がる藤原 小さく返事をしたかと思えば、リビングのドアに向かい、荷物を取りに行こうとする藤原 なんだろう…………なにかおかしい…… 何かよく分からないが……なにかに違和感を感じた………… 次の瞬間、気づいたら手を取っていた 朱「………………なに?」 玲「こっちみろ………………」 朱「やだ……離してよ…………」 明「え?なに?痴話喧嘩?うける〜」 ケラケラと笑う明琉[あかる]に腹が立つ 明琉に向き直ると、藤原が俺の手から逃げていく 玲「あ、おいっ!!」 遠くでバタン!と勢いよく閉まるドアの音がした どうしたんだ……………… 俺の手から逃げている時の藤原の顔は…………とても泣きそうな顔だった……………… 気まずい空気を感じ取ったのか…………明琉が恐る恐る話しかけてくる 明「え?マジで痴話喧嘩? 俺余計なことした?」 玲「あぁ、ガッツリな。 まじお前、クソだな」 明「即答!?泣くよ!?」 玲「勝手に泣いてろよ……はぁ……くそっ」 明「なに〜?まじの恋人?」 玲「いや……恋人じゃない」 明「でもさ、玲がそんなに気にかけるなんて珍しいね?」 チラッと意味ありげに俺を見上げてくる憎たらしいこいつの頭を掴む ギリリと骨が軋むような音が聞こえるが、気のせいだ 明「っでで!痛いんだけど!?」 ……………………気のせいだ 明「まじでさ!最高に可愛いこの弟を! ちゃんと可愛がろう!?」 玲「だれだ?どこにいる?その可愛い弟は」 明「俺!ここだよ〜!」 はーい!と言いながら手をあげるこいつ はぁ…………と盛大に溜息をつきながら 目の前で膨れた顔をして、俺をにらみつけているなんにも可愛くない弟の頭をつかみ直した 明「あいたー!!! ちょっと!マジで容赦ないね!?」 玲「お前に容赦なんているのか?」 明「あ、お兄さま!ご勘弁をっ!!」 俺の手から逃げ回るこいつを追いかけるのを早々に諦め、藤原の元に行こうとする すると、あっ!と明琉が声を上げる 明「ねぇ、あの子さ! 多分、俺と玲の邪魔しないように出ていったんだよ 多分なんか勘違いしてる! 勘違い!解いてね!」 玲「はぁ?んなわけないだろ なにを勘違いするんだよ……」 明「んー……例えば、俺と玲が付き合ってる! …………とか? 玲が俺をすき!とか?」 玲「うぇっ…………気持ち悪…… ありえない………… それに…俺とお前はこんなそっくりなんだぞ? 勘違いするわけないだろ?」 俺に髪色以外そっくりなこいつの言葉を 鼻で笑いながら藤原の元に向かう 俺はこの時の………こいつの発言をもっと真剣に聞いておくべきだったんだ………… でなきゃ…………あんなことにならなかったのに

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