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第55話
Side明琉
明「……………………藤原さん」
緊急治療室からでて、外で玲を見守っている彼の元へ近づく
声をかけると、ピクリと肩を震わせ……じっと見つめられる
その隣にそっと寄り添うように立つ
朱「………玲、生きてる………………」
明「……うん、いきてるね…………」
朱「……よか…っ……………………」
安心したのか、スッと一筋の涙を零す
その表情は……とても綺麗だった
あぁ……その綺麗な顔がたまらない………
その綺麗な顔を……ぐちゃぐちゃに崩したい……
どんな顔をして啼くのか……
ベッドの上の彼を、玲が知っているのかと思うと腹が立つ
だが…………これから僕好みに染めていけばいい
玲が……目を覚まさない今、彼が頼りにできるのは、僕だけだ…………
(作戦第1……かな)
変に思われないように、そっと肩を抱き小さな頭を胸にだく
ピクッと肩を跳ねさせ、距離を取ろうとする彼を抑えるように強く抱く
明「…………今なら……僕しか見てないから………
泣いていいよ?」
僕がそう言うと、その大きな瞳からボロボロと大粒の涙がこぼれる
その涙を舐め取り、おでこにキスをする……
……けしてやらしくならないように………自然に……
安心しきったように、僕に体を預ける彼
その背中を優しく叩きながら、ニヤリと笑い、自分の成功を確信した……
絶対…………彼を僕のものにする………………
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