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第68話
Side朱雨
あれから、1ヶ月がたった
明瑠くんの家に住むと決めたあの日の2週間後に玲が目を覚ました
記憶喪失になっていた…………とか、ドラマみたいなこともなく、無事に目を覚ましたそうだ
…………………………まぁ、あれから俺はあってないから、ホントかどうかわからないけど…………
あの日、明瑠くんの家に住むと決めた日から玲の所には行かなくなった
いっても…………虚しいだけだから………………
どうせ、玲の元には婚約者や愛する家族が行くんだ………………俺がいる必要は無い…………
だから、あの日から玲はもちろん、一緒に住んでる明瑠くんのことすら、少し避けていた
「………………あの、しゅ………………」
「あ、洗濯物取り込まなくちゃ………………」
せっかく話しかけてくれた明瑠くんを無視して、洗面所に逃げ込む………………
………………このように、話しかけられても無視してしまう日々が続いている
「………………っはぁ、俺って…やなやつ…………」
洗面所に行って、俯きながらそんなことを思う
申し訳ない……と思う気持ちはある……
避ける度に、寂しそうな顔をしている明瑠くんを見ると、胸が締め付けられそうになる…………
けど………………もう……………………
人を信頼して、好きになって…………裏切られるのは、もう沢山だった………………
親にしろ、友人にしろ、玲にしろ…………
もう…………沢山だよ………………ほんとに…………
だから………………もう一度、自分の殻に閉じこもろうと思うんだ………………
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