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第71話
Side朱雨
「んぅ……んむぅ!」
目の前で声を上げる存在
その存在は…………俺の想い人に顔はそっくりだ…………
しかし…………小さい胸……高い声……白い肌……細い腰………………
何もかもがあいつと違う………………
「ぁ……んぁっ!」
「ちょっと、声大きいよ明瑠」
「だ、だってぇ!」
腰をくねらせ、僕の指から逃げる彼
逃がさない……とばかりに彼の腰を片手で押さえつけ、中に入っている指を容赦なく奥まで入れ、掻き回す
そうすれば、さらに甘い声を上げ、気持ちよさそうに顔を染める…………
………………ほかの男が見たら、その姿は大層可愛いんだろう………………
だが…………俺からすれば、ただ顔が赤くなった明瑠だ
いつもとなんら変わらない
そんな彼をじっ……と静かに見つめていると、そんな俺を不満に思ったのか、彼がスルスルと下に手を伸ばす…………
「…………っ!こら……明瑠…………」
「また…………勃ってない………………」
むぅ…………と頬をふくらませ、俺を睨みつける
そう……俺は彼とこんなことをしても、欲情しない……………………
…………俺からすれば…………彼とは戯れているだけであって、性欲を満たす要素は全くないのだ………………
唯一…………彼に求めているのは………………その表情だろうか………………
玲そっくりの顔は…………見つめられただけでゾクゾクする………………
だが……欲情しないのにはわけがある…………………
彼の表情だ……………………
……………俺が見たい玲の顔は、頬を上気させた顔ではなく、俺を攻めたいという雄の顔だ………………
……………………自分で言ってなんだが…………最低だと思う………………
ぼーっとしたまま、彼の顔を眺めていると
タダでさえ不機嫌だったその顔を、さらにゆがめ俺の股の間にしゃがみこむ………………
「あ、明瑠…………?」
「……………………せて…………」
「………………なんて?」
よく聞こえなくて、顔を近づけ聞き直す
すると、真っ赤な顔をした明瑠が、俺の事をキッ!と睨みつける
「っだから!フェラさせて!」
「は?いいよ……別に…………
っちょ…………明瑠っ!」
そう言い放つと、俺のズボンを脱がし、俺のモノをキュッと握った
萎えたままの俺のものが、彼の手で少しずつ大きくされていくのがわかる…………
「あ、あかるぅ………………」
「…………ふふ、いい顔だよ?朱雨」
明瑠は…………多分経験者なんだろう…………
その指使いはとても上手で、腰がビクビクと跳ねてしまう………………
そんな俺の顔を見ながら、彼は口を大きく開け、俺に見せ付けるように……俺のものにかぶりついた………………
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