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言霊

今は使われていない旧体育館の体育用具室に一颯は弟に連れ込まれていた。 「……ぅう、ん……」 噛み付くように弟の駿助にキスをされる。 駿助からメールで呼び出され、教師には体調が悪いので保健室に行くと伝えた。 真面目な一颯を教師は疑いもせず心配していた。実際、一颯の顔色は悪かった。 あの嵐の夜から一カ月が経つ。 駿助は飽きることなく、一颯を抱き続けた。しかも、最初に抱かれた時に写真を撮られていた。 互いの精液でドロドロになった下肢を晒した一颯の写真だ。 弟のスマホで撮られた写真を見せられ、一颯は駿助に逆らえなくなった。 一颯に勉強を教わると言って駿助は兄の部屋に入り浸り、キスや愛撫を繰り返した。 両親は昔のように仲の良い兄弟に戻ったと思っていたが、実際は…… 「あ、いやっ!」 「全部、脱げよ。兄貴」 弟に学ランを脱がされ、下肢も裸に剥かれる。マットの上に駿助が持ち込んだフリースのブランケットが敷かれ、その上に押し倒された。 「やめっ……!」 弟は兄の膝裏を掴み、大きく股を開かせた。興奮しきった様子で、兄の股間にしゃぶりつく。 「ぁあ!……いやぁ…や、やめて……はぁあ……やめ…あ!」 一颯は腕を交差させて顔を隠して、弟の愛撫に身悶える。 人目を忍んで、夜毎日毎に愛された体は何をされても感じるようになった。 無垢で純潔だった一颯の肌は、男を知って淫らになった。 ちゅぷ……じゅぷ……と、粘着質な音が響く。弟の大きな手に押さえつけられて、なす術もなく快楽に溺れた。 「あ、あ!……しゅ、んすけ……離して……もう、あっ」 一颯の切羽詰まった声に、一層きつく吸い上げた。 「ああッ! や、あっあっ……あぁ───ッ!」 ビクンッと華奢な体を跳ねさせて、一颯は弟の口内に放った。駿助の男らしい喉がゴクリと鳴り、兄の全てを飲み干す。 「はぁ……はぁ……ぁ」 とろりと蕩けた目をして、ぐったりとした兄の顔を食い入るように見つめながら、駿助は学ランを脱ぎ、ポケットから軟膏のチューブを出した。 「ひっ!?」 後孔にヌルリと触れた指に、一颯の体がびくりと跳ねた。思わず駿助を見ると、熱い雄の眼差しで一颯を見ていた視線と絡まる。 「……もう、嫌だ。こんなこと……やめてくれ」 「……」 駿助がぐっと中指を一颯の尻に埋めてきた。 「ああッ!」 もがく体を押さえつけて、ぐちぐちと一颯のアナルを解していく。駿助を受け入れさせる為に。 「ぃや……やめて、やめて……こんなこと……もう嫌だ……ぁあ!」 一颯はハラハラと涙を流し始めた。 「うそつけ。こんなに熱くなってるくせに」 そう言って駿助は、再び勃ちあがりつつある一颯のペニスを咥えた。 「ぃやあぁあ……は、あぁ……やだぁあ!」 前と後ろを同時に責められて、一颯は駿助の頭を引き剥がそうと弟の髪を掴んだ。 「やめ、て……あ! 嫌、嫌ぁ……駿助!」 悲鳴のような声で名を呼ばれて、駿助の愛撫が激しさを増す。 「ひぃあ、あ、あぁあ……やぁ!」 一颯の手は、もはや弟の髪をかき乱すだけで、引き剥がそうとする力を失っていた。 後孔に三本の指が入り、一颯が啜り泣きを漏らしだした頃、駿助はゆっくりと指を抜いた。 「……ああ…ぅ……」 ぐったりとした兄の細い脚を抱え上げ、ジッパーを下ろしてグロテスクな程に勃ちあがり興奮しきった雄を出す。 「……あ!!」 急いでゴムをつけて、兄のアナルに弟は熱いペニスを当てた。そして一気に貫いた。 「いやぁああ───ッ!」 一颯は大きく仰け反り、叫び声をあげた。 「ああ、あ……んむぅ……」 ガクガクと痙攣する体を抱きしめ、駿助は一颯に口付けた。貪り尽くすように、激しいキスをする。 「ぅん……むぅ……ぅあッ! あっ…あっ……んぁあッ!」 最初から激しく抜き差しをされ、一颯が悲鳴のような喘ぎ声を漏らした。 「一颯……一颯……ッ!」 「あぁあ……お願……やめて、やめてぇえ……やだぁ……あ、あ、あ」 華奢な体は弟の思うままに揺さぶられた。すでに後ろでの快楽を教え込まれた体は心を裏切り、どこまでも熱くなる。 「やっ……ああ、あ、ひぃあ……やぁあ」 「……俺のものだ……絶対に、離すもんか」 駿助の男根が一颯の一番感じるトコロを力強く突き上げた。 「ひぁああ!……ッ!……やっだ、あぁ……やめ……それ…やめてぇ、あぁあ!」 「ココがいいんだろ? 兄貴」 駿助の雄にねちっこく前立腺を責められて、一颯は身も世もなく鳴いて、泣いた。 「……嫌ぁ、あ、駿助、やめて!……ゆ、して……お願いだからぁ……ヒィ、ゆるしてぇ……!」 「……許さねぇ……ほら、いいって言えよ!」 「あっ、あぁああ──ッ……駿助ぇ」 一颯の肌はしっとりと汗に濡れ、目元を朱に染めてハラハラと啜り泣く姿は淫らで、弟の欲望を煽った。 「言えよ! 兄貴」 壊れる程に突き上げられ、一颯が悲鳴の合間に譫言のように答えた。 「ひぃあ、あぁ……いい……い、い……あ!」 「……気持ちいいか?……言えよ」 「あ、あ、いい……きもち…い……あ! あぁあっ!」 延々と前立腺を責められ、えぐるように腰を回されて、一颯は後ろだけで軽くイッてしまった。 駿助によって、後ろだけの絶頂も覚えさせられていた。 ヒクヒクと震える一颯に口付け、駿助は兄の体を揺さぶり続ける。一颯は全身が性感帯になってしまったように感じて、淫らに鳴いた。 「あぁあ……ダメ、ダメ……も、イッたから……あ!」 「まだ足りねぇだろ……好きだろ。俺とセックスすんの」 「違……嫌だ……あぁあ……やめ……あう!」 駿助は腕に一颯の膝裏を引っ掛けて、互いの掌を合わせて指を絡めた。体を二つ折りにされたような体位で、奥の奥まで犯される。 「言えって!」 「ヒィ! あぁッ!……あ、好き……すきだから……あ!」 「一颯……ッ!」 駿助は激しく腰を振りたくり、ガツガツと一颯のアナルを犯した。 「あぁあ! いやぁああッ……あ!あ!」 「一颯! 一颯ッ!」 駿助は一颯の首筋に顔を埋めて、切なげな声で兄の名を呼んだ。 「はぁ、ううッ……しゅ…んすけ…あぁあッ!」 「ああ、兄貴……好きだ、一颯……」 「あ……あぁ……はぁああッ」 この一カ月、逃げまどい、泣いて許しをこう兄を許さず犯した。何度も。何度も。 哀願の涙が、快楽の涙に変わるまで。 弟の切なく甘い声は、一颯に男同士のセックスを覚えさせた時と同じように、何度も何度も刷り込まれる。 体の次は、心を変えてしまうように。 「一颯……好きって言え」 「あ……あ……すき……あぁああ」 「俺も好きだ……兄貴は俺のものだ……ッッ!」 「あぅッ……あ、やぁああ───ッ!」 大きく突き上げられ、弟の熱が兄の最奥に叩きつけるように放たれた。 キツく互いの手を握りしめあったまま、激しい突き上げに一颯も絶頂に達した。 「あ、あぁあ……は、あぅ……」 「は……一颯……」 「んぅ……ん」 駿助は一颯にキスをして、まだ硬い雄をナカに埋めたまま、その華奢な体を抱きしめた。 「逃げられると思うなよ。お前は俺のもんだ」 「駿助……」 この一カ月、まるで洗脳されるように「逃がさない」「俺のものだ」「好きだ」と囁かれ続けている。 一颯も「きもちいい」「すき」と言う事を強要され続けて、だんだんとこの状況を受け入れつつあった。 一颯はいつも一人でいて、こんなにも深く、誰かと繋がったことはない。 兄の体も心も奪い尽くしてしまうように。弟は兄を犯し、言葉を強要し、愛を囁き続ける。 「あッ!」 再び駿助がゆっくりと一颯を揺さぶり始めた。 「いやっ……もう、も、できな……あぁあ!」 「嫌じゃねぇだろ? ほら……」 自分を組み敷き、犯している弟を見上げれば、熱い獣のような瞳で見つめていた。 絶対に逃がさない、許さないと、その瞳が語っている。 弟に促されて、一颯は震える唇から望まれる言葉を紡いだ。 「……っと……もっと、して」 一颯の目尻から涙が伝った。 「……すき……すきだから……ああッ!」 「一颯!」 弟は兄の体を掻き抱き、これ以上ないくらい奥深くまで突き入れた。 一颯は諦めたように目を閉じて、自分の体を揺さぶる嵐のような弟の熱情に身を任せた。

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