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第14話

「はい、また…」 そう微笑んで別れる二人… この二人はBOUS(半強制少年売春店)の勧誘係。 見た目が可愛く目立つため、アキラはその新人候補に選ばれてしまったのだ… そんな重大なことに巻き込まれているとは思いもしないアキラ。 今はただ、父親に認めてもらうことだけを考えていた… 自分の存在を認めさせると、思ったものの、肝心のミツルが家に帰って来ないため、成績のことも伝えられないアキラ。 父親にどうすれば会えるのか… コウジの母親のユカリさんとは話しすらしないから聞けないし… コウジとは相変わらずケンカばかり…聞きたくもないけど… やっぱり…聞きやすいのは健次さんだけど、あまり仕事の邪魔したくないし… この間、恐い目にあっているから…バス停の辺に行きたくないけど… …それでも、父に認められない悔しさはアキラを動かす。 今を大切に生きるために… じっと待つだけなんて…できない。 いつものようにアキラは一人でバスを乗り継ぎ健次の病院までやってくる。 時刻は昼前…健次が昼食を食べている時なら話しが出来ると思ったから… 入口前まで来て、ハタと立ち止まるアキラ。 一瞬、目を疑うが… 間違いなく目の前に、会わなくてはならない…その人物、ミツルがいたのだ。 何かの用事で来ていたのか、視察なのか… 健次の病院から出て来たミツルは、足速に駐車場へ向かっていた。 「…っ」 アキラはすぐさま後を追う。 「親父っ!」 車に乗り込もうとする父ミツルを呼び止めるアキラ。 「…?」 ふと止まるミツル… アキラの姿を見て顔をしかめる。 「待てよ!」 「…お前は、ここへ入院しているのか…」 聞くでもなく…呟くミツル。 「違う!オレは…」 聞いてもらわなきゃならない… 「…お前と話しをしている暇はない」 ミツルは無視するように車へ乗り込む… 「なッ、ちょ、待てよ!」 アキラは車の窓に両手をついて、なんとか行かせないようにする。 「邪魔だ…」 冷たくあしらわれるが、アキラは負けずに話し出す。 「オレは約束を果たしたんだ、あんたも…」 「そんなものは知らん…手を避けろ」 「約束しただろッ次の成績が、全部良かったらオレを認めてくれるって!」 アキラも必死だが… 「……」 ミツルは溜息をつき、そんな必死なアキラに耳もかさず、エンジンをかける。 強引に振り切っていこうと思ったのだ… 「もぅッ!話しをッ聞けよ!」 それを悟ったアキラ。 どうしても引き下がれなくて…車が動く前にボンネットの上に乗り掛かる。 「…いい加減にしろ、お前の成績など興味はない。お前のしていることはすべて無駄だ」 怒りを表に出すこともなく、無機質に言葉にするミツル。 まるで相手にしていない… 「なッ…あんたが言ったんだろ!成績とれたらって、見ろよッオレはコウジにだって負けてない、たとえ病気持ってたってオレは出来損ないなんかじゃない!」 アキラは、真剣だったが… 「…出来損は出来損ないだ、どれだけ努力しようともお前が昂治に並ぶことはない…無駄なことだ」 「並ぶ…」 自分はコウジよりいい成績をとっているのに… 悔しさが込み上げるアキラ。 話すら聞こうとしないこの人物が親なんて… そんな人物と血が繋がっていると思うと堪らなく、自分自身が嫌になるアキラ…

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