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第7話

骨が浮いた治信さんの背に腕を回し、脚を開いたところで、彼がその間に腰を入れてきました。そして、僕のそこにゆっくりと屹立を埋めていきます。 出っ張った亀頭が襞を押し広げ、搔き分けるように直腸へと入っていく圧迫感と熱に、背中がしなり、腰が震えました。痛みはありませんが、内臓を押し上げられるような感覚が苦しく、出すつもりはないのに声が迫り上がってきます。 「はっ……ぁ、アッ……ぅ……」 「……、みつる……」 「んぅ……っ」 腰を進めながら、治信さんは顔を歪める僕に口づけを施しました。性急に舌が口腔に潜り込み、れろれろと舐め回されます。その淡い快感が身体に流れ、腰がわずかに揺れました。 「……ん……っ、はる……のぶ、さ……」 唇を離した彼はまるでゆりかごで眠る赤ん坊を見るような優しい顔で僕を見下ろしていました。どこかうっとりともした眼差しを降り注ぎ、骨ばった右手をおもむろに伸ばして、額に張りついた僕の前髪を掻き上げました。 根元までずっぷりと挿入され、腹のなかが治信さんのものでいっぱいでした。一旦、動きを止めた治信さんは、荒れた息を整えようとしていた僕を抱擁し、ひどく雄臭い吐息を耳朶に吹きかけてこられました。 「……つらくないか?」 「はい……、へいき、です」 小さく頷けば、治信さんはそよ風のように笑われました。とても、機嫌が良さそうでした。 「俺が出したもので、ぬるぬるしてるな」 僕もふふ、と笑い、治信さんの背中に絡む腕の力をわずかに強めました。……恥ずかしいので決して口にはしませんが、彼の精液をなかに出されるのが、たまらなく好きでした。終わった後にしっかり掻き出さなければ、腹を下してしまうので大変ですが、お腹だけでなく身体も心も満たされ、どうしようもなく嬉しくなるのです。 「――……あっ、ん……ぁ……」 そうして始まった緩慢で浅い律動は、ぬるい快感を僕に与え、繋がった箇所から卑猥な粘着音を生み出しました。治信さんは犬のような息遣いで小刻みに奥を突き、腸壁の感触を確かめるかのように竿を擦りつけられます。いまだ圧迫感があり少し息苦しいものの、口からひとりでに溢れる僕の声には、自分で言うのも何ですが、艶かしさが含まれていました。

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