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淫靡な浴場
家に入り、靴を脱いだ瞬間に鉄平は志狼に担がれた。
「わ、あっ!?」
「お仕置きだ。タマ」
「だから、なんでっ!?」
そのまま風呂場に直行される。
またしても、鉄平は志狼が怒っている理由が分からなかった。
志狼は浴槽に湯を出し、脱衣所に鉄平を下ろした。
鉄平の小さな頭を鷲掴みにして、深く口付ける。
「んんぅ!」
唇を解いて、店のTシャツを脱がせた。
再びキスをして、濃厚に舌を絡めながら、エプロンを解いて手早く裸に剥いていく。
「ん。ん。むぅ、あ。まって……ふぅ、し…ろぉ」
裸にした鉄平の体を大きな手で撫で回す。
深く、深く、唇を貪られ、鉄平の小さな体は軽く仰け反っていく。
「っ……んぁ!……んんぅ……」
ちゅくちゅくと唾液が絡む生々しい音が脱衣所に響いた。
唇を解放して、鉄平の体をくるりと返し、鏡の方へ向けた。
「っ!?」
鏡にはキスで感じてしまい、ゆるく勃ち上がった自身が写っている。
鉄平は真っ赤になって、両手で股間を隠した。
「隠すんじゃねぇよ」
志狼に両手首を一纏めに掴まれて、バンザイするように上へ上げられる。
「あ! やだっ!」
志狼は服を着たままだ。
鉄平は一人だけ全裸で、両手を上げて反応したペニスを晒している。
あまりの羞恥にモジモジと膝を擦り合わせ、顔を背けて目を閉じた鉄平に、志狼が無慈悲に告げた。
「目を開けろ。ちゃんと見るんだ」
「……あ。やぁ」
ぐい、と顎を掴まれ、正面を向かされる。
鉄平の可愛らしいペニスは、震えて勃ち上がっている。
「キスで感じたか? 見てみろ、タマ。お前のチンポはどうなってる?」
「……や、めて」
鉄平はすでに涙目だ。
「こないだまで処女だったくせに。いやらしいな」
「や、だ! 言わないでっ!」
志狼の手が鉄平の肌の上を滑る。
胸の尖りをカリ、と引っ掻いた。
「あっ」
親指と人差し指で摘み、小さな乳首を愛撫する。
「や、やぁ!」
「……いやらしい子だ。濡れてるぞ」
「ひぃあ!」
志狼の大きな手が、鉄平の可愛らしいペニスを包んだ。
くちゅり、と濡れた音がして、すでに先走りの汁を漏らしているのだと知らされる。
鉄平は必死に足を閉じて、腰を揺らすが、志狼の愛撫からは逃れられない。
「あぁ、やだぁ! んん……あ!」
「顔を上げろ。タマ」
「あ……」
鏡には、いやらしい自分の顔が写っている。鉄平は更に顔を赤くした。
「お前が感じてる証拠だ」
「ん! んむぅ!」
志狼は先走りで濡れた指先を鉄平の小さな口にねじ込んだ。
鉄平は眉を寄せて、必死に舌で押し返そうとするが、逆に志狼の指をしゃぶるような形になってしまう。
「う、むぅ……ちゅ、う……あぁ、は」
自身のいやらしい汁を味合わせられる。
───やだ。こんなの嫌!
嫌なはずなのに、鉄平のペニスは濡れて、先走りの露をタラタラと床に垂らした。
「あ! やだっ!」
志狼は鉄平の片脚を洗面台に乗せて、股を開かせた。
「ちゃんと見てろ。タマ」
ビクっと鉄平の体が揺れる。
志狼は唾液で濡れた指先を鉄平のアナルに触れさせて、ゆるゆると撫でた。
「あ、あ、うそ……や、やぁ! やめてぇ!」
ゆっくりと指をアナルに埋めていく。
志狼の指を飲み込んでいく様が鏡に写っている。
鉄平の白い内腿が羞恥に小刻みに震えた。
「今、何をされてるんだ? 言ってみろ」
「いや……嫌だ。嫌っ! いやぁ!」
鉄平は細い首を打ち振り、か弱い抵抗をする。
「タマ」
「あっ!」
志狼は鉄平の耳を食んだ。
「言わなきゃ、このままだぞ」
「うう……」
「ほら、よく見ろ。どこをどうされてるんだ?」
鉄平の大きな瞳から、ついに大粒の涙が零れた。
「お、お尻の……穴に、ゆびを……いれられてる……うっ、く」
ついにポロポロと泣きながら、小さな声で答えた。
そんな鉄平の可愛らしい泣き顔と声に、志狼の雄はギンギンに高まっていく。
「好きだろう。ココに入れられんの」
「す、きじゃない……好きじゃないよっ!!」
「嘘つきめ」
ズブと奥まで突き入れ、前立腺を押し上げた。
「はぁあああっ! やぁあ!」
鉄平の体がビクビクと跳ねた。
「いやっ! 嫌ぁ! やめ、て……やだってばぁ……ああ、や、や! ひぃあ!」
鉄平は志狼の腕の中で身をくねらせて、鏡の前で痴態を晒した。
後孔での快楽を短期間のうちに志狼によって教え込まれたのだ。
自分以上に鉄平の肉体の快楽に弱い部分を知り尽くした志狼の指一本で、鉄平はよがり狂わされていく。
「ああ! ああ! しろぉ……ゆる、して……も、ゆ…してぇ!」
ハァハァと息を荒げて、鉄平が許しを請う。
志狼は「続きは風呂場で」と言って、ゆっくりと鉄平のアナルから指を抜いた。
ぐったりした鉄平を抱き上げて、志狼は浴場に移動した。
洗い場に鉄平を座らせ、シャワーを出す。
「んん……ふぅ」
石鹸で体を洗ってやると、鉄平は甘い吐息を吐いた。
「タマ。俺の体も洗ってくれ」
志狼は胡座をかいた上に、向かい合うように鉄平を座らせた。
鉄平は小さな手のひらを、ヌルヌルと志狼の逞しい胸板に滑らせていく。
お互いの手で体を洗い合う行為がひどく卑猥に思えて、鉄平は顔を赤くして俯いた。
志狼は見事で、完璧な肉体をしている。
太く逞しい腕。強靭な胸板。
割れた腹筋。彫りの深い精悍な顔立ち。
エキゾチックな青い瞳。
低く、男らしい魅力的な声。
男でも女でも、誰もが憧れるような志狼と、自分はセックスをしたのだと。
そして、おそらく今からセックスするのだと思って、鉄平は異様に志狼を意識してしまう。
緊張して指先が震えた。
「どうした?」
「う、ううん。なんでも……あ」
志狼に顎を掴まれて、顔を上げさせられる。
「タマ。ちゃんと言え」
オリエント・ブルーの瞳で見つめられて、鉄平はおずおずと聞いた。
「な、なんで、俺とエッチすんの?」
「あぁ?」
鉄平の体がビクっと揺れる。
「だって……だって、しろうはモテるでしょ。今日だって、逆ナンされてたじゃんか」
「逆ナン?」
「お、女の人、二人に……」
「ああ。世間話してただけだぞ」
鈍感な志狼に鉄平は焦れる。俯いて口早に言った。
「違うもん。絶対、逆ナンだったよ! 気になって、俺、お皿割っちゃったのに……」
「タマ」
「し、しろうは鈍いから……」
「タマ」
志狼の大きな手で頬を包まれ、視線を合わせられる。
「っ!!」
鉄平は息を飲んだ。
とろけるような甘い表情で、志狼が鉄平を見ていたからだ。
「やきもちか?」
「ちっ、違うよ!」
鉄平は真っ赤になって否定する。
「そうか? 俺は妬いたぞ」
「えっ?」
志狼の言葉に、鉄平は目をまん丸に見開く。
「高杉とかいう野郎に懐きやがって。正直、ムカついた」
「え? え?」
「他の男に懐くな……俺だけに甘えてろ」
低くて甘い声音で口説かれる。
鉄平の吐息は震えた。
「しろう……」
どちらともなく唇を合わせ、接吻を深めていった。
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