21 / 25
番外編:2
「荷物は殆どもう片付いてるから、あとは好きに配置替えして」
与えられた部屋は、俺がひとりで借りていたアパートよりも広かった。必要な家具は全て部屋に収まっている。だけどその中に、ベッドだけがない。
「く、栗原さん…あの、」
「ここは自由に使っていいから」
「いや、えーっと」
「寝室はこっち」
歩き始めた栗原さんについていくと、だだっ広い、ベッドしかない、だけどそのベッドがとてつもなく大きい寝室へと辿りついた。
「ここが俺たちの寝室」
「へっ!」
「おいで」
寝室に入り、ベッドに腰掛けた栗原さんが俺を呼ぶ。体は瞬時にさっきの固さを取り戻し、緊張で汗をかいた。
「ほら」
痺れを切らし迎えに来た栗原さんに手を引かれ、俺も寝室へと足を踏み入れる。そうして腰を下ろしたベッドの柔らかさに感動していると、油断した躰がグワンと倒れた。
俺は、ベッドに押し倒されていた。
「久しぶりに触れられる」
「あっ」
目尻を甘く下げた栗原さんに、あっと言う間に口付けられた。それは直ぐに深いものに変わって、緊張していた俺の躰も気付けばトロトロに蕩け始めていた。
「んっ、は…んっ」
何度も角度を変えて舌を絡め、流れ込む彼の唾液を嚥下する。それは細胞の隅々まで染み渡っていって、侵され始めていたソレが綺麗に浄化されていった。
「あっ、あっ!」
シャツの裾から、体温の低い栗原さんの手が腰から脇まで滑り上がった。その刺激に肌がビクリと反応すれば、彼はそれに気を良くして更に手をいやらしく動かした。
「ひあっ! あっ、栗原さっ、んぅっ!」
完全に捲れ上がったシャツから曝け出された胸の突起を口に含むと、唇で挟み吸っては舌で押しつぶす。
「あぁあっ、やっ、ぁあっ!」
あまりの刺激に腰が浮く。とっくに俺のソレは怒張していて、それに気づいた栗原さんがズボンと下着の間を縫って、手を差し込んだ。
「嫌だ! 嫌だぁッ!!」
途端躰が勝手に暴れ、彼の手を拒絶した。ハッと気づいた時には栗原さんはもう、俺の躰に少しも触れてはいなかった。
ともだちにシェアしよう!