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7 ハンバーグ(亮太)

ビックリした。また今度、とは言ったけどこんなに早いとは…。噂したら現れるっていうけど考えるだけでも来るんだろうか。まさか同じコーポの隣同士とは… 向こうからメシ誘ってくれたってことは何か話でもあるのか…。なんてのは期待し過ぎか… とりあえず…、コンチの部屋に行かなきゃだ。えっと財布…は要らないし、酎ハイ…持ってくのも変だし…ケータイだけかな… 「よし」 心の中でつぶやいたつもりが声に出ていたようだ。いつもの鉄製のドアがいやに重く感じられる。 鍵を閉めてコンチの部屋のチャイムを押す。チャイムなんかいつぶりだろうか… 「いらっしゃい。今あっためてるから」 玄関を開けたのはコンチだった。 「お邪魔しま~す…」 部屋の中は片付いていた。子供がいるからもう少し散らかっているのかと思ったら、相変わらずのきれいさだ。同じ1DKとは思えない片付き様だ。 「相変わらず奇麗にしてるんだな」 「まーな、子供いるとハウスダストとか気を使わなきゃだからさ。そこ座って待っといて」 キッチンに置かれた大きめのテーブルではちゆちゃんがアイスを食べている。 「お兄さんいらっしゃい~」 「お邪魔してまーす」 「お兄さんのお名前なんていうの?」 「お兄さんは沢村亮太だよ~。よろしくね」 「じゃあ、りょうちゃんだね。」 「うん…、なんかこそばゆいね」 「初めまして坂本千幸です。よろしくお願いします」 ちゆちゃんはそう言って小さな頭をペコリと下げた。 「こちらこそよろしくお願いします」 「これ初めましての挨拶ね!ちゆのアイス半分あげる!」 「いいよ、ちゆちゃんが食べな?」 「いいの、ちゆはどうせ今日どっちもは食べられないし。こんちゃんがね、もう一個は明日にしなさいだって…」 「寝る前にどっちも食べたら、おねしょするだろ?もらっとけよ、りょうちゃん♡」 「お前に呼ばれると寒気がするよ。」 「千幸別におねしょしないもん!!」 プンプンしながら歯磨きに向かったみたいだ 「わかったわかった。後で食べるだろ?それ、冷凍庫入れとくから」 貸して、とアイスは冷凍庫にしまわれてしまった。 「あ、ありがと」 「亮太お待たせ、ハンバーグ温まったっぽい。ごはんこんくらいでいい?ちょっと俺千幸の歯磨きの仕上げしてくる」 テーブルに料理が並べられていく。 「うん、ありがと。いただきます」 トマトソースがかかったハンバーグとレタスのサラダ、豆とシーチキンとニンジンのスープ。野菜たっぷりだ あったかい…。人が作ったものってこんなにおいしかったんだ。すっかり忘れていた。 「おいしいなぁ…」

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