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俺をぶっ犯した化けもん狐は(ここの)と言うそうだ。 九九のオヤジで、九九みたいに人に化けるそうだが、俺はその姿を知らない。 時々、夜な夜な家にやってきてはクソでかい図体のまんま俺にのしかかってくる。 とんだ助平狐だ。 どんな人の姿に化けるとか、どんな声なのか、どんな肌の色なのか、別に気にもならねぇ。 ぜーんぜん興味ねぇ!! 「クソ、負けた」 夕暮れ、お祭りで村が盛んに賑わう中、意地悪お兄さん、賭け事で見事に負けてすっからかん、ただでさえ寒かった懐が極寒状態となり、楽しげな人々の間をしけた面で歩いていきます。 そんな意地悪お兄さんにかけられた声。 「そこの意地悪そうな兄さん」 「お前さん、賭けで負けてたろう」 「イイ金儲けの話があるんだが乗らないかい」 振り返れば狸のお面をつけた若者らしき男三人が意地悪お兄さんの後ろに立っていました。 「金儲け」と聞けば目がない意地悪お兄さん。 ここじゃあ何だからと、得体の知れない男三人に誘われるがまま、ほいほいついていき、気がつけば村外れ、鈴虫リンリン、お地蔵さんの祠のそば。 「なっなんだ、お前ら!?」 欲張りな性格が祟って、意地悪お兄さん、あれよあれよという間に男三人に組み敷かれてしまいました。 「ひっ? どこ触ってやがる!」 「まぁまぁ、あのいけ好かねぇ古狐としこたましっぽり楽しんでんだろ?」 「ッ……お前らも、まさか……?」 ずらされた狸のお面下、ニヤニヤ笑う口元に意地悪お兄さんは言葉を失います。 化けもんに輪姦(まわ)されるなんて冗談じゃねぇ! その時です。 一陣の風がゴゥと吹き抜け、ぽっかり浮かんでいたお月様は叢雲に隠れ、辺り一面の木々がざわりと揺らめいて。 ポ、ポ、ポ、ポ、ポと宵闇に灯される狐火。 雪色の長い髪を靡かせて歩いてくる者がいます。 「狸風情めが図々しい、此方の獲物に気安く触れるな」 顔には狐のお面。 イイ感じに着衣が乱れた意地悪お兄さんは息を呑みます。 「まさか九か……?」

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