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5-親ぎつね嫁入りコンコン意地悪お兄さんドッキドキ!
今日もお日様にこにこ、雀がちゅんちゅん、清々しく晴れた穏やかな、
「少しは成長したかと思ったらあんた全く変わってないじゃないの!!」
……穏やかなお昼、ではないようです。
自分のおうちで何故か肩身狭そうにしている意地悪お兄さん。
その前で仁王立ちしているのは、意地悪お兄さんの、意地悪お母さんです。
怒っているのは一目瞭然です、それもそのはずでしょう、かつて実家でぐうたら三昧な息子に堪忍袋の緒が切れて叩き出し、少しはマトモになっているかと思いきや、様子を見に伺ってみれば……ぐーすかおそようさん状態で。
叩き起こされて、まだ眠たくて、顔を伏せてウトウトしそうになっている意地悪お兄さん、あ、意地悪お母さんのこめかみがピクピク引き攣っていますよ。
「こうなったら奥の手使うわよ」
「……zzz……」
「嫁をとらせます」
「ぶっっっ!!」
「きゅるん!?」
寝かかっていた意地悪お兄さんはびっくらこき、縁側から意地悪親子のやりとりをこっそり盗み見していた子ぎつねの九九もびっくり。
これは放ってはおけません。
フサフサ尻尾を揺らめかせ、ぴょんぴょん駆け足となって、風を切って、まっしぐら。
山の奥深くに人知れず佇む稲荷神社、そのそばでぽっかり口を開ける大きな洞穴へ。
ひんやり薄暗い洞穴の奥でこちらもおそようさん、蹲ってウトウトしている親ぎつね九の懐へぼっふん突っ込みます。
「……ドウシタ、クク……ソンナニアワテテ」
「イジワルオニイサン、ヨメ、ヨメ、ヨメっ」
「ヨメ……?」
「ニンゲン、オナゴ、オヨメサン、モラウ!」
「ギシャァァァァァァァア!!!!」
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