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「ちょ……っと、その、あの、えーと」
「初々しいこと。もしや貴方様は女の肌を御存じでない?」
爆ぜる囲炉裏の傍らに押し倒された意地悪お兄さん。
目の前にやってきたぼいんぼいんに頭クラクラ、思春期男子さながらに全身ガチガチ、そんな元夫の相手に夜叉小町は艶然と微笑みかけます。
「可哀想に。アレに魅入られてしまったばかりに閉じ込めておいでなのでしょう。わたくしで解放させて差し上げましょうか、貴方様の、さぞご立派な……?」
お色気に満ち満ちたあやかしに伸しかかられて動けないでいる意地悪お兄さんでしたが。
「小町。僕のお嫁さんに跨ってどういうつもり。猛火に炙られたいのかな」
「あら。相変わらず気配のない方。荒れ野を彷徨う狐火のよう」
いつの間にやら帰宅した九と、夜叉小町、双方から洩れなく伝わる殺気にさらに全身硬直してしまうのでした……。
「まさか我が家にアレを上げたなんて許さないよ……?」
九と入れ代わるように去って行った夜叉小町。
彼女と入れ代わるようにして意地悪お兄さんに覆いかぶさった九。
「身の毛もよだつような悪寒がして戻ってみれば。全くもう。君、そんなに僕に呪われたいの?」
ぐにゅっっっ!!
ふんどしを暴かれて荒々しく取り出された嫁男根をこれまた手荒に握り締められて、意地悪お兄さん、堪らず悲鳴を上げます。
「どうなの? 僕に食い殺されたいの?」
さらにぎゅうぎゅうぎゅうぎゅう握り込まれて口をパクパクさせていた意地悪お兄さんは。
涙ながらに九に言いました。
「……すまねぇ、悪ぃ、九……」
あれだけ素直に侘びることがなかったというのに謝りました。
やましいことはしていません。
迫られただけで手は出していません。
でも、正直、ぼいんぼいんにグラついたのは事実です。
ボンキュッボンに見惚れて大いにくすぐられた本能、体がムラムラしたのは、事実です。
「ひどいひと」
激情の余り九は微笑むしかありませんでした……。
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