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13-親ぎつね梅雨ぷっつん意地悪お兄さんとガチ交尾!!
お山にしとしと降り続く雨。
「外に行きたいの?」
しっとり濡れた深緑の狭間に鮮やかに浮かび上がるはずらりと並んだ鳥居。
潜り終われば目の前に現れる立派な藁葺き屋根のおうち。
うっすら暗い中では妖怪の血を引く妖狐一族の末裔、あやかし狐の九がそれはそれは見目麗しい人の姿で愛してやまない伴侶をあやしておりました。
「こうもずっとウチん中にいたらカビちまう」
九のお膝に抱っこされた意地悪お兄さん狐、美しくも可愛くもありません、愛想もありません、ただただふてぶてしい面構えです。
「困ったね。僕は雨に濡れるのがぞんがい嫌でね」
雪色の長い髪をさらりと梳いてゆっくり微笑んだ九に意地悪お兄さん狐はとびっきりの仏頂面を浮かべます。
「お前は留守番してりゃあいい」
「君は雨に濡れても平気なの?」
「お前はどこのやんごとなきお姫様だ!!」
灰色毛を逆立ててキーーキーー喚く意地悪お兄さん狐を単衣着物の懐にいとおしげに抱き寄せた九。
「あまり遠くへ行ってはだめだよ? 僕の可愛い狐さん?」
とんがったお耳に色気滴る悩殺ウィスパーボイスを注がれて意地悪お兄さん狐はまっかっか。
「雨がひどくなったらすぐにお帰り」
「けっ。俺はお姫様じゃあねぇんだ。ずぶ濡れになったって構やしねぇ」
「ふふ。それはそれで」
「あ?」
「たっぷり毛づくろいしてあげる」
「このスケベ狐が!!」
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