「まだ思い出してくれないの」 嘘だろ、男に犯されてるのか、俺。 コイツ誰なんだ。 ここ、どこだ。 まるで知らねぇ。 何もわかんねぇ…… 「ひ……ッ」 サラッサラな雪色の髪が視界の端っこを過ぎった。 ケツに突き入れられたガッチガチな……チンポ。 べろべろ舐められてふやけた穴にグイグイ捻じ込まれて、腹の内側、しつこく擦られて。 「ねぇ、まだ？」 ずっと笑いながら問いかけてくる九。 もう限界だ、俺。 むり。 ガマンできねぇよ……。 「うるせぇしね変態野郎ッッッッ！！！！」 学ランもシャツもビリビリにされて両足抉じ開けられて、体に力入んなくて、好き勝手に犯されていた俺は真上に迫る九を涙ながらに睨みつけた。 「人のこと妙ちくりんな場所にいきなり連れ込みやがって、その上こんなッ、このスケべ変態ッ！しねッ！人でなしーーーーッッッ！！！！」 もうブチギレられてもいい、殺されたって知るか、このまま大人しく黙って犯され続けてやるなんて思うなよ、スケベサイコ野郎。 「バーーカバーーカバーーカッッ……ッ……ッ……」 殺されるまで喚き続ける気でいた俺は、つい、口を閉じた。 「……ふふっ」 長い長い髪を滴らせて、狂ったみたいに微笑んでいた九が。 本当に笑ったから。 「あーあ。そっかぁ。君は本当に何一つ覚えていないんだね」 くすぐったそうに笑って、ぽろり、涙一つ。 まるで宝石みてぇにキラキラしたのが綺麗な頬を伝い落ちていった。 「それなら一つ一つ、また、教えてあげる」 なんだこれ。 苦しい。 さっきの猛烈ハグに感じた苦しさとは違う。 胸の奥が締めつけられるみてぇに……痛ぇ。 「君の心と体に僕をしっかり刻みつけてあげようね」 「あ……っっ？」 腰をしっかり掴まれて、抱え気味に持ち上げられて、上下左右、前後に小刻みに揺さぶられた。 美人ヅラとは打って変わって、えげつねぇ、ゴリッゴリなチンポで腹底をグリグリされる。 穴が限界までみちみちみぢみぢ拡げられてるのがわかる。 九の鼓動も……。 「ちょッ……ンだよ、コレぇ……ッ」 変だ。 コイツの本当の笑顔と、流した涙見た途端、体の反応が変化した、殺されるかもしんねぇ恐怖とかありえねぇ出来事への混乱が薄れて、代わりに、何か……何か……。 き、き、きもちよくなってきたとか……。 「い、嫌だーーーー……ッッッ！！」 腰を持ち上げられたまま、ずんずんずんずん、グリグリグリグリ、布団の上でエビ反りになった俺は恥も捨てて絶叫した。 「き、きもちよくねぇ、こんなんッッ……感じたりなんか……ッッ……！！」 「可愛い」 ぐっっっと前屈みになった九に、精一杯背けていた顔を間近に覗き込まれた、あ、あ、なんかパンパン言ってる、これ何の音ッ？　チンポ打ちつけられて俺の尻が鳴ってんのかッ？　しぬッ！ 「ひゃっっやめっっはげひっっこれはげひぃーーーー……っっ！！」 俺まだ童貞なのに。 ケツめちゃくちゃに犯されていっちまうなんて……。 「大好き。僕のお嫁さん」 『君は永遠に僕のお嫁さんだからね……？』 気を失う寸前、九の声がダブって聞こえたのは、うん、気のせーだ……。 あったけぇ。 ぬくぬく、ぽかぽか、夢みてぇな感触……つぅか夢か……あんなん夢だよな……。 起きたら、うん、きっとぜーんぶ夢で。 そもそもクラスに転校生なんて来てねぇ、今までと変わんねぇ平和で下らねぇ毎日がいつも通り続くんだ、うん……。 ＊＊＊ 「もう手離さないよ」 ぐーすか寝続ける彼に九は囁きます。 「肌身離さず僕の懐に仕舞い込んであげる」 やっと、やっと果たされた再会にコンコン泣き笑うあやかし狐なのでした。