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「こんにちは」
俺のゴワゴワ黒髪とはツヤも質も全ッ然違う、嫌味なくらいサラッサラなまっくろ髪。
恐ろしく色白で、化粧のCMに出てきても違和感ねぇレベルの美人顔で。
制服の学ランが間に合ってねぇらしく、きっちり上までボタンがとめられた長袖シャツ一枚に黒ズボン、新品っぽい上履き。
大したことねぇ格好なのに中身がこんだけ優れてると上等に見えちまう。
「ここでお昼を食べてるんだね」
う。
やっぱ怖ぇ。
俺としたことが視線合わせただけでブルッちまう。
「ちょっといいかな」
転校生がそう声をかけたのは俺ではなくダチの方だった、飯の途中だった奴等は残りを一瞬でかっ込んでこれまた三人揃って立ち上がった、こいつら三つ子みてぇに何でも揃うんだよな。
「受けて立ってやろーじゃん」
「今度は俺らが蹴散らしてやんよ」
「憎さ余って殺意百倍、いんや、千倍かー? 前の俺らとは一味違うってとこ、教えてやらぁ」
やっぱ知り合いじゃねぇか。
俺はぎょっとした。
「お、おい、お前ら」
五限の途中で教室に戻ってきた三人、外見的には特にダメージもない、だけどやたら猫背? 前屈み? 揃いも揃って股押さえてどーした? ケンカ負け知らずだったくせして何があったんだよ!?
「「「や、やられた」」」
授業中で教師に怒られたけど、知るかバーカ、駆け寄ってみれば三人揃ってその回答ときた、顔色クソ悪ぃッ、全員急所やられたってどんだけえげつねぇんだよ?
転校生は戻ってこなかった。
一生戻ってこなけりゃあいーのに。
だけどなんでほんとこんな怖ぇんだろ?
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