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見失わないよう必死こいて毛玉もどきの後を追う意地悪お兄さん。 いつの間にやら渡り廊下へ出ていました。 欄干から覗いてみれば広々とした蓮池をのんびり泳ぐ立派な大鯉。 透かし模様の入った和紙のぼんぼりが独りでにふわふわ、ふわり。 よく磨かれた木造床を毛玉もどきは、とことこ、とことこ、意地悪お兄さんはとにかく毛玉もどきに視線を集中させて追跡に必死です。 おかげで彼らにまるで気がつきませんでした。 「ん……」 意地悪お兄さん、ぎょぎょぎょっ、です。 慌てて顔を上げれば、渡り廊下の端で熱烈なでぃーぷきっすに及んでいる者らがいるではありませんか。 ぎょぎょぎょの余り、迷惑千万なことにその場で意地悪お兄さんは硬直してしまいました。 どえらい長身かっぷるです。 意地悪お兄さんにはあまり馴染みのない異国の服を着ています。 組紐で編み込みハーフアップに結われた長めの髪は朱色。 黒紐靴を履き、細身の体にフィットしたサテン地の長袖服は足首までかかる長さ。 花柄の繊細な刺繍が全体的にちりばめられています。 色香の匂い立つ麗人の如き朱色の彼にぶっちゅぶっちゅとかましているのは。 蒼色の髪、なおかつツーブロックというイカしたヘアスタイルが様になっている男前です。 引き締まった筋肉質の体には黒白ツートーンのゆったりめカンフー服。 受け身でいる朱色の彼にそりゃあもう、ぶっちゅぶっちゅぶっちゅぶっちゅ……溺愛っぷりが窺えます。 こいつら絶対ぇ、あやかしだ、見た目・雰囲気からしてもう人間じゃねぇ。 つぅか、こんなとこで堂々と盛ってんじゃねぇ!! 自我があやふやな狐姿だったとはいえ、青姦三昧の日々を過ごしていたこともある意地悪お兄さん、自分は棚上げして、常人ぶってまっかになって憤慨しておりましたならば。 毛玉もどきが熱烈きっす中のふたりに近づこうとしたので。 咄嗟に両手で掬い上げました。 「ばかッ、邪魔なんかしたらどつかれんぞッ」 「ふみゅ」 「どついたりなんかしませんよ……?」 毛玉もどきを抱き上げていた意地悪お兄さんははっとします。 きっすをやめ、こちらを眺めている朱色の彼と、不愉快そうに睨んでくる蒼色の彼に、しどろもどろに弁解します。 「あー、その、邪魔するつもりじゃなくて、だな」

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