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人里よりも深い静寂に包み込まれた山の奥の奥。
たくさんの数の鳥居を潜って潜って辿り着いた先に。
意地悪お兄さんと九が住む藁葺き屋根のおうちはありました。
「あ……あ、ん……っ……あああっ……!」
隅々まで磨かれた板間に敷かれたお布団、その上で身悶えっぱなしの意地悪お兄さん。
衰える気配のない媚湯効果が目下継続中の体に熱心に刻みつけられる過激律動。
ぐっと掴まれた腰、尻孔を行き来する人間男根、激しく穿たれる肉奥。
四つん這いになったところを後ろからたんまり突かれます。
疼いて疼いて仕方がない尻の奥を掻き回され、貫かれ、連打されて、脈打つ嫁男根から我慢汁をだらしなく滴らせ続けます。
「んあっ、ああっ、あっ、あっ、あっ……!!」
全身びっちょり汗をかいて素直に声を上げる素っ裸の意地悪お兄さん。
彼と同じく全裸の九はうっとり好きなだけ見惚れます。
きめ細やかな肌は桜の花弁でも散らしたみたいにほんのり紅潮していました。
「いいこ、いいこ、今までよく我慢したね……?」
ギチギチと締まる尻奥をじっくり解してやりながら、九は、あやかし温泉郷での日々を思い出します。
『簡単に俺のこと捨てやがって……畜生……憎ったらしい奴……』
自分に捨てられたと思い込んでしょ気ていた姿は口に入れたいくらい愛らしくて。
健気で、いじらしくて、堪らなくて。
巡り愛の宿で、何度も互いの想いが共鳴し、引き寄せ会えたことが嬉しくて嬉しくて嬉しくて。
「たっぷりご褒美をあげようね……?」
「ッ……あ、あ、あ……ッ、ッ……あーーーー……ッッ」
種付けされた意地悪お兄さん、狐夫につられて自分も嫁男根から絶頂汁を勢いよく弾きました。
「だらしなくて愛らしいひと」
這い蹲って震えていた体が抱き起こされます。
濃厚種汁でとろっとろにぬかるむ、悶々とうねり蠢く尻壺にぐっっっさり、九の人間男根がより奥まで突き立てられました。
「いッッッ……!!」
虚空でビックン跳ねたかと思えば間をおかずして再びガチ射精に至った嫁男根。
「あ、ぅ……ッ……でひゃッ……でひゃぅ……」
「いいよ……? 思う存分、射精 してごらん」
「ッ……ッ……九……なの、か……?」
頭の中がぐーるぐる状態で思考がこんがらがっていた意地悪お兄さんですが。
お膝に座らされて、後ろから抱きしめられて、正確には平らな胸を官能的に揉みしだかれて、ぼんやりしていた目をパチパチさせました。
「うん。君の夫の狐だよ」
「ッ……ほんと、に……? ほんとに九か……? 顔、見えねぇ……ッ……んん、ん……!」
お膝の上でぐるんと体の向きを変えられて。
紛れもない美丈夫の九と、すでに下半身がぐずぐずになりかけている意地悪お兄さんの視線がバッチリ重なりました。
「ッ……ッ……ッ……!!」
目が合っただけで、また、粗相しちゃった意地悪お兄さん。
「ふ……僕とおめめがかち合っただけで達したの……? 可愛い……」
濡れそぼつ肉棒の天辺から絶頂汁をびゅくびゅくさせる意地悪お兄さんに、九は、口づけました。
口づけて、湿り渡る唇奥を舌先で愛でつつ、ぱんっぱんな膨張肉棒を掌に抱いて、しごきました。
「ん、ん、ぅ、ぅ、ん、っ、う、ぐ……ッ……ッ……ッ……!!」
しごかれる度に白濁を迸らせる嫁男根、暴力的な快楽に身も心も乗っ取られた意地悪お兄さんも九の動きに合わせて腰を振ります、ヌチヌチと卑猥に鳴る結合部、泡立つ残滓、新たに放たれる汁飛沫。
「はッ……ぁ……ここ、の……九ぉ……」
「うん。僕はここにいるよ」
「ッ……よか、った……俺……お前にーー」
「捨てないよ? 手放すわけないよ? それくらいわからない? 僕の愛、まだ足りない……?」
九は意地悪お兄さんを布団に押し倒しました。
一瞬、行き場に迷ったその両手をとると、自分の頬へ導きます。
「ほら、つねって、千切ってもいいよ?」
「ッ……それ、俺が……九九に……」
「胸クソ悪かったんでしょう? 殺意が湧きそうだったんでしょう?」
罵り言葉を愉しげに反芻して。
狐夫が息子の九九に最初っから化けていたことをイマイチ理解できていない意地悪お兄さんのまぬけっぷりに愛しさを無限に募らせます。
「操まで立ててくれたのに、騙していて、ごめんね……?」
「ッ……う、あ、ッ……は……ッ……!!」
あやかし姿と化した九。
妖怪獰猛男根でさらに尻奥をみぢみぢ抉じ開けられ、もふもふした腹の下で意地悪お兄さんは堪らずエビ反りになりました。
媚湯のおかげで快感倍倍倍増です。
あやかし伴侶の子種がほしくてほしくて堪らなくなります。
「もっと……ほし……ッ……九ぉ……もっと、種付け、して……?」
我が身を欲しがる意地悪お兄さんに九はべろりと舌なめずり、ついでに灰色狐耳やら顔やら胸やらべろんべろん舐め上げて、ものものしげに腰を揺らめかせます。
太く逞しい頑丈な凶器肉棒が尻奥に何度も何度も打ちつけられます。
限界いっぱいまで抉じ開けられた尻孔。
モフ毛に顔を埋め、しがみついて、意地悪お兄さんはされるがまま揺さぶられます。
「あッ、あッ、あッ、あッ……ッ……ここ、の、ぉ……も、ぉ……ッ……ひとりぼっちに……すんなぁ……」
ポロリと零れた哀願。
九は鋭い切れ長な大きな目をカッと見開かせ、そして。
意地悪お兄さんの尻膣最奥に大っっっっ量の子種汁を勢い任せに注ぎ込みました。
「ひッッッッ」
白目を剥く勢いで仰け反った意地悪お兄さん、案の定、おもらしです、あやかし伴侶のもふもふ腹にびしゃびしゃぶちまけちゃいました。
それでも九は止まりません。
「本当、もう、食べちゃいたいくらい、可愛い、可愛い、可愛い、可愛い……」
人の姿になっても、涙とよだれでびしょびしょな意地悪お兄さんの顔をぺろぺろ、壊れたみたいに「可愛い」を連呼して長々と交わり続けました。
「誰が他のものに渡すか、一日、いや一秒だって許さない、君は僕だけのもの、君のすべてが僕のすべて」
耳元で繰り返される激甘な呪いに絶頂地獄を幾度となく巡らされた意地悪お兄さんなのでした……。
「とと様」
お天気のいい日でした。
暇潰しに意地悪お兄さんをからかいに来てみれば、藁葺き屋根のおうちの奥、あやかし姿の九の懐で当の相手はぐーすか眠っていました。
起きていた九に大きな目で促され、九九も、美しい自慢の父にぴったりくっつきました。
子ぎつねコンコン、親ぎつねもコンコン、意地悪お兄さんはぐーすか。
ひょっとしたら夢の中で一緒にコンコンしてるやもしれません。
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