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上機嫌な九に意地悪お兄さんはヒクリと口元を引き攣らせます。
「んな馬鹿な……俺に、みほ……いきなり女のアレができるなんて、んな与太話あるか、笑えねぇよ、九よぉ……」
そう言いながらも。
狐夫のウキウキルンルンっぷりがガチ中のガチで、ぬるぬるローション風呂心地は現在も継続中で。
「だってよ、昨晩はそんなモンどこにもついて……」
布団の中で素っ裸だった意地悪お兄さんは歪んだ笑顔を精一杯浮かべて自分の股座へ手をーー。
「!!???!!!????!!」
「どうしたの?」
「な、な、なんだ、なんだよこれ!!!?」
人里より離れた山の奥の奥、藁葺き屋根のおうちから意地悪お兄さんのガチな悲鳴が木霊しました。
「うわーーーー!! うそだうそだッ、こんなん昨日までなかったじゃねぇか!! ふざけんな!!」
「ふざけてなんかいないよ」
「俺はっ!! 狐や妖怪になったどころか!? 性転換までしちまったのかよ!?」
「性転換ではないよ。だって君の御立派なモノ、ぶら下がってるじゃない」
「じゃあなんだよ!! 俺はっ!! 両性類か!?」
「両生類? 君、これからコンコンじゃなくケロケロ鳴くの?」
素っ裸で仁王立ちになってぎゃーすか喚くヒステリック嫁に、ぽふんっ、着流し姿になった九はそっと羽織をかけてやります。
「身も心も僕を受け入れてくれた証だよ」
……やっぱり、やべぇ。
……九に見つめられただけで体中ジンジンムズムズする。
「僕のお嫁さん」
狐耳を巻き込んで頭を撫でられると、胸がキュンキュン、コンコン甘えてしまいそうになる意地悪お兄さん。
「僕と君のあかちゃん、それはそれは可愛い小狐だろうね?」
男だから一生孕まないと思っていた。
それが、まさか。
「……ずっとこの体なのか、俺」
「ことが終われば入り口は閉ざされるよ」
「こと、って……」
羽織の前をぎゅっと握り締めて未だにプルプルしている意地悪お兄さんに、九は、ゆっくりと耳打ちしました。
「お産」
……マジで俺があかちゃん産むのかよ……。
「ところで早速なんだけど」
もうすでにグズグズになりかけの意地悪お兄さんの腰を抱き寄せて。
薄紅色の唇を静々と動かし、人外色香に富む声色で、満開の夜桜にも勝る妖しげ綺麗な九はおねだりします。
「授かったばかりの純真無垢な蜜の穴、旦那様に見せてごらん……?」
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