「確かにタダでは申し訳ないね」 意地悪お兄さんのうるるん目がパチクリ見開かれました。 「こんなにも初々しい花の芽、軽々しく摘むのはご法度かも……ね」 背徳的に艶めく囁きの後、九の指腹が触れた場所は。 力強く実る陰嚢のすぐ下に新たに芽吹いた小さな突起でした。 その肉芽に触れられた瞬間、意地悪お兄さんは咄嗟に九の肩を掴みました。 「そこっっ……」 「うん？」 「さ、さわんな……絶対……」 「それってフリなの？」 「断じてフリじゃねぇ！！」 拒まれた九は特に気にする風でもなく、生温く湿った柔らかな亀裂伝いに長い指をツゥ……と滑らせました。 「濡れてるね」 ご丁寧に指摘されて意地悪お兄さんの顔はカッと熱を帯びます。 「っ……わかってンだよ、自分でも……体が勝手に……」 「愛らしい感触」 「っ……っ……っ」 「延々と可愛がってあげたい」 柔な亀裂の上を白く長い指がしつこく行ったり来たり。 些細な愛撫に先走って溢れてくる愛液。 「ふふ。君の此処(ここ)、素直でいじらしいね」 指先に伝う透明な雫に九は心底愉悦します。 「だけど今日できたばっかりで、こんなにも可憐で脆そう、僕をきちんと出迎えられるかな……？」 満遍なく濡れ出した割れ目。 ゆっくり優しくなぞっていた指が肉襞を掻き分け、蜜穴を再び探り当てると、またしても、くぱぁ……。 「う、わ、ぁ……っ……だから触んなって、ば……」 「僕をちゃんと出迎えられるよう鍛えないと……ね？」 「き、鍛えるって……ひっ……？　ちょっ、何しやがっ……っ……あっ、ぅ……っ」 意地悪お兄さんはぐっと首を竦めます。 恥ずかしげもなくお股に顔を突っ込んできた九に狼狽しました。 「ぃっ……！」 狐夫に亀裂を一舐めされると。 激甘戦慄が背筋を駆け抜け、頭の芯が軽く爆ぜるような魅惑の恍惚に貫かれました。 「……な、なんだ、これぇ……こんなん……初めて……」 たった一舐めされただけでクラクラしている意地悪お兄さんに九は緩々と微笑します。 「まるで生娘だね」 「っ……九、テメェなぁ……」 「女子(おなご)として感じてるんだよ、君」 「おっ……俺は女じゃねぇ……」 しどけなく火照る体に抗って男としての矜持を保とうとする意固地な意地悪お兄さん。 九は惜しみなく艷やかに微笑を深めます。 「そうだね。君は君。僕が愛してやまない唯一の伴侶」 ーー僕のお嫁さんとしてたっぷり気持ちよくしてあげるーー