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「も……立てねぇよ、九ぉ……」 布団の上で生まれ立ての小鹿みたいにプルプル震える意地悪お兄さんの両足。 「んな、しつこくされたら……ふやけちまうって……」 授かったばかりの蜜穴のみならず、普段はふてぶてしいおめめもすっかり濡れそぼって、とろんとした眼差しに。 「聞いてんのかよ、おい、この助平狐……」 今にも崩れ落ちそうな意地悪お兄さんの股座に顔を突っ込みっぱなしの九。 ふにゃふにゃ伴侶に力なく咎められますと、薄紅の唇に透明な糸を引いて、粘膜ひしめき合う蜜穴へ深々と捻じ込んでいた舌を引き抜きました。 「は、ぁ、っ」 引き抜かれる絶妙な感覚に痺れてしまう意地悪お兄さん。 「ちゃんと聞いてるよ」 「お……お前なぁ……人の股間にどんだけしゃぶりついてるつもりだ、この悪食狐が……」 「悪食? とんでもない」 ぜぇはぁしている絶賛勃起中の意地悪お兄さん、つまり男として女として絶賛感度良好中の助平嫁は。 再び真下から九にじっと見つめられて武者震いしました。 「君の蜜は美味で堪らない」 ……やべぇ。 ……また濡れた。 ……いいや、溢れた。 「あ」 「い、言うな、いちいち報告すんじゃねぇ」 「意地っ張りな君と違って。生まれ立ての此処(ここ)は本当に健気で素直だね……」 九は興奮が止まりませんでした。 普段、人型であるときは仕舞われている狐耳が出っ放しです。 孕期(みごもき)に突入して発現した意地悪お兄さんの出来立てホヤホヤな蜜部にすっかりご執心のようです。 「もっと奥まで解さないと」 「もういい……疲れた……もっかい寝る……」 灰色狐耳をしんなりさせ、僅かでも距離をとろうとした意地悪お兄さんを、九はすぐさま我が身へ引き寄せます。 「だめ」 切れ長な目にスッと走った縦状の鋭い瞳孔。 「もっと太くて長い頑丈な舌で、君の新しい奥まで、しっかり愛でてあげる……」

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