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 三崎の指はまずにんにくをの房をバラし、丁寧に殻に包まれたその実を剥がしていく。それはまるで恋人の服を脱がすように繊細な手つきだ。 「なんとも良い形をしていやがる。流石は国産といったところか。クックッ」 「やっ、やめて……」  しかしこれは序の口、にんにくに与えられる恥辱はこれからである。 「おいにんにく、これが何かわかるか?」 「まさかそれは――やめてください!! お願いですなんでもしますからぁっ!!」  三崎の手にあるもの、それは一本の爪楊枝。にんにくは直感で理解した。これから自分のお尻から爪楊枝を挿入れて中の芯を押し出すという変態プレイをしようとしているのだと。(正しくはにんにくの芯は焦げやすく、風味を損なうため)  三崎は流れる手つきでにんにくの頭の部分とお尻の部分を軽く落とし、優しさの欠片も見えないような変態的な笑みを浮かべてにんにくのお尻の部分に爪楊枝を押し当てる。 「や、やだ……太いよ……苦しい」 「やめてくれ!! にんにくが苦しんでるだろうが!!」 「外野は黙って見ていな。こいつが変態的に捻り出す様をなぁ(芯を)」  客観的に見れば一人でなにを言っているのかと言いたいところだが、敢えて何も言わないでおくのが正解だろう。 「あ、出る!(芯が)やめて、出ちゃうよぉ!!(芯が)」 「クックッ、ずいぶん大きい芯だなぁ。こいつはずいぶん溜め込んでいると見た(灰汁を)」  ある程度小芝居をしたあと素早くニンニクを微塵切りにしてまな板の横に集めておくと、三崎の次のターゲットは鷹の爪に移った。

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