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Ⅰ:終
◇
「何だ南、お前まだ居たの」
頭を抱える俺に、呑気に声をかけてきたのは噂の保健医、千鳥。
「おい千鳥…話がちげぇよ…」
怒鳴りたいのは山々だが、如何せん、腰に響く。
「は?」
「誰だよ、あのアキヅキカンナってぇ…」
「秋月? さぁ、俺もあんまり知らねぇけど」
えぇ…、ちゃんと相手は下調べするって言ったじゃねぇかよぉ…。
「一応素行やら風紀との繋がりは調べたぞ。何だ、何かあったか?」
「……ちっ、何でもねぇよ」
誰がタチの癖にケツ掘られた何て言えるもんか。千鳥何かに言ったら絶対爆笑するし。
死んでも言わねぇからな!?
だが、そうして必死に隠しながら無理やり歩いて帰ったものの…その努力は全て無駄になる。
バックバージンを奪われた衝撃は思った以上にダメージが大きく、どうやらそれは精神だけでなく、肉体をも破壊して行った様だ。その結果…。
「ぶはぁあっ! 何だよお前、昨日秋月に掘られたのぉ!?」
「ッ!! っせぇなあ!! くそぉ…アンタだけには言いたくなかったのにぃ!」
「わはははぁあ!!」
何たって次の日俺は、ケツを使ったせいで高熱を出したんだから…。
「ほれ、その初々しいケツを出しなさい」
「喧しいわ! 薬くらい自分で塗れるわっ! ぎゃあぁあ!! パンツ脱がすなぁ!!」
第一章:END
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