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第4話
「あはは、千世にぃ照れちゃってる」
「お前には刺激が強すぎたか?」
弟と好きな人にからかわれてますます顔が熱くなる。
(も~、読んでるこっちが恥ずかしいよ! でも、僕だって廉佳さんのこと好きなんだから、男同士っていうのに抵抗はないと思うんだけど……)
中学生の時には既に廉佳に対する「好き」が「恋」に変わっていて、ずっと千世を悩ませ続けてきた。千世は彼の、勉強もスポーツもできて絵も上手く、全く抜けが無いと思ったら、たまに見せる少年のような悪戯心が好きだ。背が高くて顔立ちも整っていて、千世が持っていないものをほとんど持ち合わせている彼に、憧れると同時に惚れていた。
千世自身、女の子と話すのが苦手ということもあり、男が男を好きになることに特に違和感を覚えていなかった。もしかしたら自分はゲイなのかと考えたこともあったが、廉佳以外の人を好きになったこともなければ、他の人を好きになるつもりもないので未だに答えは見つかっていない。
「おーい千世、聞いてるか?」
「は、はいっ!」
完全に自分の世界に入っていたところを廉佳に呼び戻され、千世はまだ火照っている顔を上げた。
「BLではその……入れる方を攻め、入れられる方を受けって言うんだけど、俺的には受けキャラをもっとエロく描きたいって思ってるワケ。もちろんストーリーも練り直すけどな」
「はぁ」
「そんで、俺の作品をより良くするために、泰志に攻めキャラ、千世に受けキャラの役をやってほしいんだ」
「はぁ……は?」
うっかり聞き流すところだった。廉佳があまりにも衝撃的なことを言うせいで。
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