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第20話 ※
指はローションでしとどに濡れていたため挿入は滑らかだったが、体内に異物が入っているという違和感が酷い。
「千世、まずはその異物感に慣れるんだ。泰志は指をゆっくり動かして」
「こう……?」
「ぅ、う……ん…くっ」
身体の内側を、泰志の長い指が出入りする。初めての感覚に惑わされながら、違和感をやり過ごすために歯を食いしばった。
「ちーせ。あまり力むな、痛くするぞ」
「でも…でもっ、この感じ……ヘン……!」
「だから力抜けって。息を大きく吐いてみな」
言われたとおりにしてみると、思ったより身体が強張っていたようで、特に肩の辺りが緩んだのを感じた。
「泰志、大丈夫そうなら指を増やしてみてくれ」
「うん。――センパイ、もう一本くらいいけるよね」
「へ? あ、ゃああ、ッ」
千世が僅かに気を抜いたところで、後孔へ更に指が追加される。だが今度は先程までの優しさを忘れた手つきで、千世の中をかき回してきた。
「ふぁあッ――た、泰志…くる、し……っ」
「泰志、第二関節のあたりまで入れたところにこりこりしたのがあるだろ。そこ、感じるポイント」
自分は男なのに、どこにそんなとことろがあるのだろう。これ以上の快感は危険だ。未知の感覚は、自分がどうなるのか分からなくて不安ばかりが付きまとう。
だから千世は泰志の首に縋り付いて彼の動きを止めようとした。
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