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第21話 ※
「や、ぁ……こわぃ、よ……優しく…して?」
「ちょ、千世にぃそれ反則……いくよ?」
「ぁ、あっ…や――ぁあぁぁあッ!」
身体に電流が走ったみたいだった。
新たな性感帯が拓ひらかれる、その瞬間。えも言われぬ感覚に襲われた。自身を触られた訳ではないのに、痺れたみたいに内腿が痙攣する。
千世は泰志に抱きついたままの腕をぐいと引き寄せた。
「ぼく…僕、どうなっちゃうの? そこ、もぅ……」
「千世……」
「止めるの? 止めちゃったら、廉にぃの漫画の役に立てないよ」
(なんでそんな言い方するの? だって……廉佳さんをがっかりさせたくなんかないよ)
千世が本気で嫌だと言えば廉佳はすぐに止めてくれるはずだ。長い付き合いだから、彼の質たちが悪くないことも知っている。だが断ったことで嫌われたらどうしよう。
それを考えれば、多少の恐怖は我慢できる。
「ゃ……、やめ…ない」
この選択が正しかったのか、間違っていたのか。この段階ではまだ何も分からなかった。
「――選んだのはお前だからな」
「廉佳さん? 今、なにか言った?」
「いや何も。泰志、続けてくれ」
「おっけー。センパイのこと、もっととろっとろにしてあげるね」
「ん、ぁ…ふぁ……」
止まっていた指が動き出し、再び千世を翻弄する。すっかりツボを抑えてしまった泰志は、脆いところばかり弄ってきた。
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