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第25話 ※
「……入れるよ?」
「ん…………はぅっ…う……あぁ」
泰志は後孔にローションを追加すると、その入り口へ徐々に自身を沈めていく。
「う、ぁ…キツ……っ」
「ちょ、もっと力抜けない?」
「~~っ、むり……」
「泰志、キツそうなら馴染むまで待ってろ。受けの身体を気遣うのも攻めの大事な役割だぞ」
「そっか……ごめんね、センパイ」
素直に謝ってくれるのはいいが、いい加減『センパイ』という言葉に嫌気がさしてきた。先輩と後輩という役とはいえ、今抱いているのは泰志のお兄ちゃんなんだぞ、と言ってやりたい。
「その…そ、その呼び方――っあ、や…そこ……触っちゃ…」
弟が反省したかと思ったのも束の間。硬く反り返った千世のものを握ってくる。
苦痛に怯む千世の気を紛らわせようとしているのだろうが、一遍に煽り立てられたらひとたまりもない。
「んぁ、ぁああ…あっ」
「ははっ――中、締め付けが弱まってきた」
そんなこと聞きたくもない。
うつ伏せになったお陰で顔を見られなくて済むのが唯一の救いだ。千世は枕をぎゅっと握り締めて、二人の方を見ないことに努める。
「あー今良い感じ。ちょっとそのままでいて」
「早くしてよね。まだ先っぽだけだけど、センパイの中めっちゃ気持ちいいんだから。早く動きたいよ」
端 から見ればとんでもない光景だ。兄弟のセックスを幼馴染みがスケッチしているなんて。
この時ばかりは泰志と同じく、早く描き終えてくれと心の中で拝んでいた。
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