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第27話 ※
「……や、そこ…だめぇ……!」
舌足らずな呂律では泰志の律動を止めることはできない。このままでは思考回路が吹っ飛んでしまいそうだ。僅かに残った理性がそれを繋ぎ止めているが、時間の問題だった。
「あ、ぁああ…ゃあ……――ぃ…きもち、い……」
「いま、気持ちいいって言った?」
「ん、うん…ぃいよ……たい、し」
初めてなのに、こんなところで快感を得て、はしたなく喘いで。初恋の人は一体どんな顔で自分を見ているのだろう。
そこまで思考が及ばないほどに、千世は快楽の波に溺れていた。
「やっば……千世にぃ、俺もうイきそ……」
「ぼくも…僕、も…もぉ、イっちゃ――ァあ、んぁあああッ!」
切ない悦楽が体中を駆け巡り、二度目の絶頂となって千世を支配する。千世が白濁を吐き出したのとほぼ同時に、痙攣する内壁が泰志も爆ぜるのを感じた。
「あ……、…っあぁ……」
薄い膜越しに迸る熱を受ける中、限界を迎えた千世の身体が軋み始める。何もかもが初めての状態で、こんなに強い快感をもろに食らってはもう持ちこたえられなかった。
少し瞼を下ろした間に四肢の筋肉が緩んでいき、次の瞬間千世の意識はふっと途切れてしまっただのだった。
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