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第35話
(そうだ……廉佳さんにも、どうやって顔合わせればいいんだろう……)
まな板の上で細かく輪切りにされていくネギをぼんやりと見つめながら、頭の中でぐちゃぐちゃになった気持ちを懸命にまとめようとしていた。
「――痛っ!」
だが考え事ををしていたせいで手元がおろそかになり、中指の背を包丁が掠かすめてしまう。滲み出る血が、腑抜けな自分を知らしめているようだった。
「あらあら、大丈夫?」
「うん。絆創膏取ってくるね」
また居間に戻って救急箱を探っていると、後を付いてきた祖母が声をかけてくる。
「珍しいわね、ちーちゃんがぼーっとしてるなんて。何かあったの?」
「べ、別に……何もないよ」
「もしかして泰ちゃんとケンカした?」
「え――?」
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