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第41話

 あまりにも課題が進まないので、何か気分転換になるものはないかと視線を巡らすと、ベッドに上に放っておいた携帯電話が目に留まる。 (あ……廉佳さんに、時間ができたら来てって言われてるんだった)  これも全部、昨日廉佳の家に行かなければ済んだ話なのに。  昨日『嫌だ』と言わなかったばかりに、取り返しのつかないことになってしまった。が、だからこそ廉佳の元へ行かなければならない。謝ってもらって、昨日のことは綺麗さっぱり忘れてもらう。流されてしまった自分も悪かったから、これで差し引きはゼロだ。 「よし、行くならさっさと行かなくちゃ」  気が重いが、このまま先延ばしにしても辛いのは千世の方だ。意を決して部屋を出る。  途中で泰志の部屋を覗いてみたが、もぬけの殻だった。元より居間にいることの多い彼のことだ。受験生らしくそこで勉強でもしているのかと思ったが、ここにも居ない。だが参考書や文房具が散らばっているあたり、コンビニへアイスでも買いに行ったのだろう。泰志の行動は大体予測できてしまう。 (あれ……僕、泰志を探そうとしてた?)

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