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第45話
「――昨日やり残したことをやってもらおうかな」
「やり残したこと……?」
「ああBLにおいて大切なことをやってなかった」
あれでもまだ足りないというのか。BL、恐るべし。
千世もここで聞くのを止めておけば良かったのに、廉佳が好きなものをもっと知りたいという欲が沸々と湧き上がってきてしまう。
「それって……どんなこと?」
「知りたいか?」
「ちょっとだけ……」
してやった。廉佳の顔にそう書いてあった。
墓穴を掘ってしまったと後悔している間に廉佳は立ち上がり、千世の背後に回ってくる。千世を足の間に挟むようにして腰を下ろした廉佳の中に、その小さな身体はすっぽりと収まってしまった。
「れ、廉佳さん……?」
「なぁ千世。昨日、ここ気持ち良かったんだろ?」
「――っ」
耳元で囁かれて肌がざわめく。ズボンの上から尻を撫でられ、昨日のことがフラッシュバックした。
「お前は敏感だから、ここもきっと感じると思うんだ」
「え…そこって……」
廉佳の右手が千世のTシャツの中へと入り込んでくる。薄い胸を、円を描くようにまさぐってきた。
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